グレーであることを引き受ける

治療や健康について

「子どもの第一の高い塀は親と先生、第二の塀は法律と国家です。この塀のなかの囚人が子どもなんです」
――吉本隆明『老いの幸福論』

放っておいたら好きなことしかしない子どもを、どこまで放置するか。
自分で考え、行動することを、どこまで許せるか。

周りにいる年長者の庇護のもとでしか生きることのできない小さき者たち。
その何に注視し、何から目を逸らすか。

一人ひとりの個性と照らし合わせつつ、どのようにそれを伸ばしていくのか。

集団の一人としてだけ捉え続ければ、子どもの承認欲求は満たされない。しかし、自分だけに焦点を当てられ続ければ、その過干渉に辟易する。

だから、なんでもかんでもバランスというか、良い塩梅というか、子ども中心の子育てをしたいところだが、大人も感情の持ち主であり、いつも広い心をもって子どもに接することなどできるわけがない。

ただ一つ、ネガティブな感情に支配されていても、やはり子どもと接する際の中庸は意識したい。

はっきりしているのは、子どものバランス感覚は人と触れ合う中でしか身につかないということだ。

「過干渉も放任も、同じ親の無関心」
――これは加藤諦三氏の格言なのだが、人との触れ合いと親の関心のありようだけで子どもは育つのだから、白黒をつけてすっきりしたい人が多いこの世の中ではあるが、干渉しすぎず、放っておきすぎず、子どもを見守ってもらいたい。

とりあえず、この住みにくい世に白黒は存在せず、グレーの世界だけが真実だということさえ覚えていれば、少しはこの塀の中にいる小さき者たちの先達になれるのではないかと、勝手に思っている。

「智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。意地を通せば窮屈だ。兎角に人の世は住みにくい。」
――夏目漱石『草枕』

おおしたさん
yochy_take
この記事を書いた人

鍼灸師・あん摩マッサージ指圧師。
広島県安芸郡府中町出身。

東京・外苑前で20年間、鍼灸院をやっていました。

小児はりや妊婦さんの施術が多く、
逆子は気づけば2,200例以上。

「刺せば何でも治る」なんてことは思っていませんが、
整うと、体はちゃんと変わります。

青年海外協力隊でパナマに行ったり、
山奥で農業をしてみたり、

いろいろ遠回りもしましたが、
結局やっていることはシンプルで、
目の前の人の体と、ちゃんと向き合うこと。

2024年、地元・広島に戻って開業。
がんばらせるより、ゆるめて整える治療をしています。

子どもは4人、全員成人。
だいたいのことは、なんとかなると思っています。

yochy_takeをフォローする
治療や健康について
yochy_takeをフォローする

コメント

タイトルとURLをコピーしました