世間がノーベル賞にわきたつなか、化学賞は東京理科大の硤合憲三名誉教授(76)に決まりました。おかげで、少し前の話題はすっかり霞んでしまった感がありますが(2026年9月なので、まだひと月前の出来事です)、筑波大学の柳沢正史教授も、脳の覚醒を保つ神経ペプチド「オレキシン」を発見した功績で、2026年アルバート・ラスカー基礎医学研究賞を受賞されています。オレキシンが足りなくなるとナルコレプシーのような過眠症を招く、という発見です。世界的な快挙で、睡眠がとても大切だと思っている一介の鍼灸師の私にとっても、素直に嬉しいニュースでした。ただ、その記事の中の一文が、地味に刺さりました。夜にきちんと眠れていれば、日中に眠気を感じることはない、というところです。理屈としては、まったく正しい。ただ、読んだ瞬間、正直ちょっと考え込んでしまいました。
私は毎朝3時45分に起きる生活を続けているので、その分早く寝るようにはしています。それでも正直、昼間はかなり眠くなるんです。「早起きしているのだから当然」くらいに軽く考えていましたが、待てよ、と思い直しました。食後に眠くなるのは、実は学生時代からの持病みたいなもので、授業中に集中できたためしがありません。つまり3時45分起きを始めるずっと前から、私は眠かった。だとすると今回の理論、早起きのせいというより、単に昔から睡眠に対してだらしない人間だった、という身も蓋もない結論になりそうです。世界的な発見のおかげで、自分の怠惰が科学的に裏付けられてしまいました。
ちなみに「睡眠負債」という言葉、実はこの記事で初めて知りました。睡眠が大切と、専門家ぶった顔で施術している割に、業界用語すら知らなかったというのは、なかなか恥ずかしい話です。知ってしまった以上、さっそく明日から知ったかぶって使わせてもらうつもりです。睡眠にはうるさいくせに、自分の生活リズムにだけは妙に甘い。人には「眠りを削るな」と偉そうに説きながら、当の本人が3時45分起きで日中まぶたを重くしている。説得力、ゼロすぎですよね(笑)。
柳沢先生の解説によれば、昼寝は20分までが目安で、それ以上必要とするなら夜の睡眠が足りていない証拠なのだそうです。別の資料でも、午後2時ごろまで20分程度の仮眠ならOKとされています。眠りは浅いノンレムから始まり、20分あたりはちょうど中間的な深さで、そこで起きればすっきりしますが、深い眠りまで入ってから起きると逆に眠気を引きずるのだとか。20分。私の昼寝は、たぶんそれより長い日があります。皮肉なことに、睡眠の専門用語を知らなかった人間ほど、睡眠負債をしっかり抱えているものです。
とはいえ結論としては、とりあえず今の睡眠体制のまま様子を見ようと考えています。朝の時間は、正直とても頭が冴えて、仕事も家事もいろいろとはかどります。早起きをすっぱりやめる決断は、まだつきません。柳沢先生、申し訳ございません。もう少しだけ、この生活を続けさせてもらいます。そのかわり、昼寝の長さは少し見直そうと思います。ノーベル賞もラスカー賞も縁がない一介の鍼灸師ですが、睡眠負債を正確に測りたい方は、受賞歴の代わりに施術歴ならある鍼灸院まで、どうぞ。
Sources:
- 知って快眠!睡眠の新常識 ~睡眠負債をためない方法とは~
- 本学硤合憲三名誉教授がノーベル化学賞に決定しました|東京理科大学
- 柳沢正史WPI-IIIS機構長/教授が2026年アルバート・ラスカー基礎医学研究賞を受賞




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