広島で逆子の鍼灸治療|2,200例以上の経験から
「逆子ですね」
健診でそう言われると、急に心配になるかもしれません。
- このままで大丈夫なの?
- 何かしたほうがいいの?
- 逆子体操を頑張らなきゃ
- お灸をしたほうがいいのかな
- 帝王切開になってしまうのかな
それまで順調に妊娠生活を送っていたのに、「逆子」という一言を聞いた途端、そのことばかりが気になってしまう。そんな方も少なくありません。
でも、まず知っておいてほしいのは、逆子と言われたからといって、すぐに慌てる必要はないということです。
妊娠週数によっても、赤ちゃんの大きさや動きやすさによっても、状況は変わっていきます。
だから私は、逆子と聞いたときに「どうやって赤ちゃんを回すか」だけを考えることはしません。
- 何週なのか
- お腹は硬くなっていないか
- よく眠れているか
- お通じはどうか
- 冷えていないか
- 普段、どんなふうに過ごしているのか
そして何より、妊婦さん自身がどんな状態で毎日を過ごしているのか。
そうしたことを一つずつ見ていきます。
東京・外苑前で20年間、鍼灸師として仕事をする中で、私は2,200例以上の逆子を診てきました。
その経験から感じているのは、逆子は「赤ちゃんの向き」だけを見ていても分からないということです。
鍼やお灸だけでなく、睡眠や食事、運動、姿勢、日々の過ごし方まで含めて、妊婦さんの身体を見ていく。
このページでは、逆子とは何なのか、何週から鍼灸を考えるのか、逆子のお灸にはどんな意味があるのか、そして七施鍼灸院ではどのように逆子と向き合っているのかを、これまでの経験をもとにお話しします。
逆子とは?
そもそも「逆子」ってどういう状態?
「逆子」とは、妊娠後期になっても、赤ちゃんの頭が上を向き、お尻や足が下を向いている状態のことを、一般的にそう呼んでいます。
通常、出産のときには赤ちゃんの頭が下を向いています。これを頭位(とうい)といいます。
それに対して、頭が上で、お尻や足が下を向いている状態を骨盤位(こつばんい)といい、これが一般に「逆子」と呼ばれているものです。
ただ、「逆子」といっても、赤ちゃんの姿勢は一つではありません。
お尻を下にしている場合もあれば、足を下にしている場合もあります。また、赤ちゃんが横向きになっている横位(おうい)や、斜めを向いている斜位(しゃい)という状態もあります。
つまり、「逆子」と聞いたからといって、赤ちゃんがみんな同じ姿勢をしているわけではありません。
そして、ここで一つ覚えておいてほしいことがあります。
赤ちゃんは、お腹の中でずっと同じ姿勢をしているわけではありません。
妊娠の早い時期には、赤ちゃんはお腹の中をかなり自由に動いています。妊娠週数が進むにつれて赤ちゃんが大きくなり、子宮の中で動けるスペースが少なくなっていくため、出産が近づくにつれて頭を下にした「頭位」に落ち着いていくことが多くなります。
ですから、健診で「逆子ですね」と言われたときに
- 赤ちゃんが間違った向きをしている
- 何か問題が起きている
と考える必要はありません。
まずは、今、赤ちゃんがどんな向きをしているのかを教えてもらったくらいに考えてみてください。
もちろん、妊娠週数が進めば、出産方法について考える必要も出てきます。その判断については、妊婦健診で主治医の先生と相談することが大切です。
鍼灸で逆子を考えるときも、私は単純に「頭が上だから、下に向けよう」とは考えません。
- なぜ今この姿勢なのか。
- お母さんの身体はどんな状態なのか。
- 赤ちゃんはどんなふうに動いているのか。
そうしたことを一緒に見ながら、その時点でできることを考えていきます。
逆子と言われたら、まず知っておきたいこと
「逆子ですね」
健診でそう言われると、それまで何も気にしていなかったのに、急に不安になるものです。
「このままで大丈夫なのかな」
「帝王切開になるのかな」
「何かしたほうがいいのかな」
そう思って、「逆子 治す」「逆子 体操」「逆子 お灸」と検索し始める方も少なくありません。
でも、まず知っておいてほしいのは、逆子と言われたことだけで、すぐに赤ちゃんに危険があるというわけではないということです。
妊娠中の赤ちゃんは、お腹の中で動きながら、頭を下にしたり、お尻を下にしたり、横を向いたりしています。
特に妊娠の早い時期は、赤ちゃんが動けるスペースも大きいため、逆子であること自体を、それほど気にしなくてもよい場合があります。
逆子は、妊娠週数によって意味が違います
逆子の相談を受けたとき、私はまず「何週ですか?」とお聞きします。
同じ逆子でも、28週なのか、32週なのか、36週なのかでは、考え方が違うからです。
これまで多くの逆子を診てきましたが、28週から治療を始めて最後まで逆子だった方もいれば、34週以降に初めて来院されて頭位になった方、36週以降に赤ちゃんが下を向いたケースもあります。
一方で、早い時期だから必ず治る、というわけでもありません。
つまり、
「何週だから大丈夫」
「何週だからもうダメ」
と、週数だけで決めることはできません。
まずは今の妊娠週数と赤ちゃんの状態を知ること。
そして、妊娠経過や出産についての医学的な判断は、主治医の先生と相談することが大切です。
鍼灸についても同じです。
私は、逆子と言われたら誰もがすぐに鍼灸を受けるべきだとは考えていません。
逆子体操も、お灸も、やればやるほどいいわけではありません。
大切なのは、赤ちゃんの向きだけを見て「どうやって回すか」と考えることではなく、お母さん自身の身体や生活にも目を向けることです。
眠れているか。
お通じはどうか。
お腹は張っていないか。
食欲や気分はどうか。
毎日の生活で無理をしていないか。
こうしたことも、逆子を考えるうえで大切な情報になります。
そして、もう一つ伝えておきたいことがあります。
逆子になったことを、自分のせいにしないでください。
「冷やしたからかな」
「運動不足だったのかな」
「仕事を頑張りすぎたのかな」
そんなふうに、自分を責める必要はありません。
逆子と言われたことをきっかけに、今の身体を見つめ直し、できることを一つずつ考えていけばいいのです。
もちろん、鍼灸は妊婦健診や医師による診察に代わるものではありません。
妊娠中の経過や出産方法など、医学的な判断については、必ず主治医の先生の指示を優先してください。
そのうえで鍼灸師にできるのは、お母さんの身体を整え、できるだけ安心して出産までの時間を過ごせるようにお手伝いすること。
「何としても赤ちゃんを回さなければ」と、お母さんを追い込むことが逆子治療ではない。
私はそう考えています。
まずは慌てないこと。
今、何週なのか。
赤ちゃんはどんな状態なのか。
そして、自分の身体はどんな状態なのか。
一つずつ見ていくことから始めてみてください。
逆子だから、お母さんが何か悪かったわけではありません
逆子と言われた妊婦さんと話していると、
「私が冷やしたからでしょうか」
「運動不足だったからかな」
「寝る向きが悪かったんでしょうか」
「もっと歩いたほうがよかったのかな」
と、自分を責めてしまう方がいます。
なかには、
「私の生活が悪かったんですよね」
とまで言われる方もいます。
でも、まずお伝えしたいのは、
逆子になったからといって、お母さんが何か悪いことをしたわけではありません。
ということです。
妊娠中は、「冷やさないように」「よく動いて」「この姿勢で寝て」と、いろいろなことを言われます。
もちろん、身体を大切にすることは大事です。
私自身、逆子の治療では、冷えや疲労、睡眠、ストレス、お通じなども見ています。
でも、それと、
「あなたが冷やしたから逆子になった」
という話は別です。
妊娠や出産は、そんなに単純なものではありません。
原因を一つに決めてしまえば分かりやすいかもしれません。
でも、
「冷やしたから」
「運動不足だったから」
「生活が悪かったから」
と原因を並べられれば、すでに不安を抱えている妊婦さんは、
「じゃあ、私が悪かったんだ」
と思ってしまうことがあります。
以前、助産師さんと話をしたときにも、「原因」を伝えることが、必ずしもその人を救うわけではない、という話になりました。
逆子と言われると、
「何とかして赤ちゃんを戻さなければ」
と頑張りたくなるものです。
真面目な方ほど、逆子体操をして、お灸をして、歩いて、身体を温めて、インターネットで情報を探して……。
気がつけば、赤ちゃんのために頑張っているはずなのに、お母さん自身が疲れてしまっている。
そんなこともあります。
逆子体操も、お灸も、頑張れば頑張るほどいいわけではありません。
だから七施鍼灸院では、「何が悪かったのか」を探すよりも、今のお母さんの身体がどんな状態なのかを見ていきます。
お腹は張っていないか。
疲れがたまっていないか。
眠れているか。
冷えていないか。
そして、その人にとって今できることは何なのかを、一緒に考えます。
逆子になったことを、自分のせいにしなくていい。
まずはそこからです。
逆子のお灸や体操は、
気合いや根性で乗り切るものではありません。
だから、逆子と言われたら、
「私の何が悪かったんだろう」
ではなく、
「今の私の身体は、どんな状態なんだろう」
と考えてみてください。
冷えているなら、どうすれば心地よく過ごせるのか。
眠れていないなら、どうすれば少し眠れるのか。
疲れているなら、何を減らせるのか。
お腹が張っているなら、どうすれば少し緩められるのか。
「悪かったところ探し」ではなく、今できることを一つずつ探す。
私は、そのほうが逆子と向き合うには大切だと思っています。
赤ちゃんへの声かけも、
「お願いだから回って」
と焦るより、
「ここまで大きくなってくれてありがとう」
「生まれてきてくれるのを楽しみにしているよ」
くらいでいいのではないでしょうか。
逆子を治すために、お母さんまで追い詰められる必要はありません。
逆子治療で私が大切にしているのは、赤ちゃんを何とか動かすことだけではなく、お母さんの不安を少し減らすことでもあります。
「治った」という結果だけでなく、
「少し安心した」
「話を聞いてもらえた」
そんな時間を過ごしてもらうことも、鍼灸師にできることだと思っています。
逆子になったことは、お母さんの失敗ではありません。
まずはそこから、一緒に考えていきましょう。
逆子の治療は何週から?
28週の逆子
28週の健診で「逆子ですね」と言われても、まだそれほど気にしていない方も多いと思います。
この時期は、赤ちゃんが子宮の中で動ける余地もまだあります。
頭を下にしていることもあれば、横を向いていることもある。お尻を下にしていることもある。
ですから、28週で逆子と言われたからといって、すぐに何かをしなければならない、というわけではありません。
実際、28週以前で、赤ちゃんがまだ小さく、十分に動ける状態であれば、逆子そのものをそれほど気にせず、次の健診まで様子を見ることもあります。
ただ、28週の健診で逆子が続いていたら、私はここから少し意識して身体を見ていくことをおすすめしています。
妊娠が進むにつれて赤ちゃんは大きくなり、子宮の中で動けるスペースも少しずつ変わっていきます。
そのため、私自身は28週を、逆子について一度考えてみる目安にしています。
28週の健診で逆子だったからといって、すぐに鍼灸を始めるという意味ではありません。
まず身体の状態を確認して、次の健診までの2週間を過ごす。
そして30週になっても逆子が続いていたら、そこから鍼灸治療を始める。
そういう考え方でもいいと思っています。
一方で、
「できるだけ早く身体を整えておきたい」
という方であれば、28週から治療を始めることもあります。
大切なのは、
「28週だから治療する」
「28週だから治療しない」
と機械的に決めることではありません。
お母さんの体調はどうなのか。
お腹は硬くなっていないか。
張りはないか。
よく眠れているか。
お通じはどうか。
冷えていないか。
普段どんなふうに身体を使っているのか。
そうしたことも含めて、その時点でできることを考えていきます。
そして、もう一つ大切なのは、逆子になったことを自分のせいにしないこと。
冷えたから。
運動不足だったから。
寝方が悪かったから。
何かを間違えたから。
そんなふうに考える必要はありません。
28週は、まだ出産まで時間があります。
だから、慌てる必要はありません。
でも、「まだ28週だから」と何も考えずに過ごすのではなく、ここから少しずつ身体を整えていく。
七施鍼灸院では、28週をそのくらいの時期として考えています。
30週の逆子
30週になると、そろそろ逆子のことが気になってくる時期かもしれません。
「30週なのに逆子。このままで大丈夫?」
そんな相談を受けることもあります。
この頃になると、28週のときよりも妊娠週数を意識して考えるようになりますが、それでも30週の逆子=もう治らないということではありません。
実際、私が逆子治療で見ているのは、週数だけではありません。
たとえば、30週でも赤ちゃんがよく動いているのか。
頭の位置が変わることがあるのか。
頭位、骨盤位、横位を行ったり来たりしているのか。
お母さんのお腹は柔らかいのか、張りやすいのか。
睡眠やお通じはどうなのか。
そうした情報を一つずつ見ていきます。
30週なら、「今から何とかしなければ」と焦るよりも、赤ちゃんが動きやすい身体の状態をつくるにはどうしたらいいかを考えてみる。
それくらいの気持ちでいいと思います。
逆子体操も、お灸も、頑張れば頑張るほどいいわけではありません。
妊娠中は、赤ちゃんのためにと頑張りすぎてしまう方がいます。
でも、治療の目的は、お母さんを疲れさせることではありません。
お母さん自身が少し楽になり、その結果として赤ちゃんも動きやすくなる。
私は、そんな逆子治療を考えています。
32週の逆子
32週になると、「もう32週だから、急いだほうがいいですよね」と不安になる方が増えてきます。
確かに、妊娠週数が進むにつれて赤ちゃんは大きくなり、子宮の中で自由に動けるスペースも少なくなっていきます。
だからこそ、32週で逆子が気になるのであれば、一度相談してみるのはよいと思います。
ただし、ここでも私は、
「32週だから、もう時間がない」
とは考えません。
実際には、
- 28週から始めても最後まで逆子だった方
- 34週以降に初めて来院されて頭位になった方
- 36週以降に赤ちゃんが下を向いたケース
も経験しています。
だから「32週なら○%治る」など、週数だけで結果を決めることはできません。
32週で大切なのは、
「今の赤ちゃんは、どんなふうに動いているのか」
そして、
「お母さんの身体は、どんな状態なのか」
を見ることです。
眠れていない。
お通じが悪い。
お腹が張る。
疲れが抜けない。
気持ちが落ち着かない。
そうしたことがあれば、そこから整えていく。
逆子治療では、胎動が強くなったかどうかだけを評価するのではなく、睡眠やお通じ、食欲、気分、お腹の状態など、日常生活の変化も大切にしています。
32週は、「もう遅い」と諦める週数でも、「必ず治る」と安心しきる週数でもありません。
今できることを、無理のない範囲で始める。
それで十分です。
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34週の逆子
34週で逆子と言われると、かなり焦ると思います。
「もう34週なのに……」
「帝王切開になるのかな」
「今から鍼灸をしても意味がないんじゃないか」
そんなふうに考えてしまうのも無理はありません。
でも、34週だからといって、私は最初から「難しい」と決めつけません。
実際に、34週以降に初めて来院され、その後に頭位になった方もいます。
☞ 32週以降で“初めて”逆子になったケースは、頭位になる可能性がとても高い
また、それまで頭位だったのに、34週の健診で突然「逆子です」と言われる方もいます。
頭位、骨盤位、横位を行ったり来たりしている赤ちゃんもいます。
そういう場合には、妊娠後期であってもまだ動く可能性があります。
だから私は、34週の逆子を見て、
「もう遅い」
とは言いません。
ただし、
「お灸をすれば必ず治ります」
とも言いません。
ここは、とても大切なところです。
実際32週を超える、もしくは推定児体重2,000gを超えると途端に回転しにくくなりますから。
ですから鍼灸を受ければ必ず頭位になる、という保証はありません。
治らないケースも多々あります。
だから34週では、「治るか、治らないか」だけに心を奪われないことも大切です。
- お母さんが少しでも眠れるように。
- お腹の緊張が少しでも楽になるように。
- 不安でいっぱいにならないように。
赤ちゃんが動ける環境を整えながら、出産までの時間を過ごしていく。
それも逆子治療の大切な役割だと私は考えています。
36週以降の逆子
36週を過ぎて逆子と言われると、
「もう間に合わない」
と思ってしまうかもしれません。
確かに、出産が近づいている以上、28週や30週の頃とは状況が違います。
だからこそ、ここでは「絶対に大丈夫」と安易なことは言えません。
出産方法については、妊婦健診で主治医の先生と相談しながら考えていく必要があります。
そのうえで、私は36週以降の逆子でも、「もう何もできない」とは考えていません。
実際、36週以降に赤ちゃんが頭を下にしたケースも経験しています。
ただ、ここで大切なのは、
「36週から鍼灸をすれば逆子が治る」
という話ではありません。
そうではなく、
「今できることは何か」
を考えることです。
お母さんの身体を少しでも楽にする。
眠れるようにする。
お腹の状態を整える。
不安を一つずつ整理する。
そして、主治医の先生と出産について相談する。
その中の一つとして、鍼灸を考えていただければと思います。
逆子治療をしてきて、私は「治った」という結果だけが治療のすべてではないと感じるようになりました。
逆子のことで頭がいっぱいになっていた方が、
「少し安心しました」
と言って帰られる。
それも、治療の大切な変化です。
赤ちゃんがいつ向きを変えたのか、実は本人には分からないことも多いものです。だからこそ、胎動の一つ一つに一喜一憂して、自分を責める必要はありません。
36週以降でも、できることはあります。
ただし、「何としても治す」ではなく、「出産までをどう過ごすか」まで含めて考える。
それが、私が長く逆子治療を続けてきて、今大切にしていることです。
治らなかった症例について|治った症例だけでは、逆子のことは語れない
逆子の症例を紹介するとき、
「○週で来院しました」
↓
「鍼灸をしました」
↓
「頭位になりました!」
↓
「よかったですね!」
という記事だけを並べることもできます。
でも、それでは逆子というものを少し単純化しすぎてしまいます。
実際には、
早く治療を始めても治らないことがある。
遅い週数からでも頭位になることがある。
同じ週数でも結果が違う。
同じ治療をしても経過が違う。
そして、赤ちゃんにもそれぞれの事情があります。
だから七施鍼灸院では、
「治った症例」も「治らなかった症例」も、どちらも症例として残していきます。
2,200例以上という経験を、
「これだけ治しました」
という数字だけで見せるのではなく、
「これだけの妊婦さんと赤ちゃんに出会い、これだけいろいろな経過を経験してきました」
という形で伝えたいと思っています。
そのほうが、逆子と言われた方にとっても、ずっと役に立つはずです。
逆子治療は、赤ちゃんの「向き」だけを見ているわけではありません
逆子の相談に来られると、多くの方がまず気にされるのは、
「赤ちゃんは今、どっちを向いているんですか?」
ということです。
もちろん、それは大切な情報です。
頭がどこにあるのか。
お尻や足はどこにあるのか。
赤ちゃんはどの位置にいるのか。
私も診察では、そこを確認します。
でも、それだけでは逆子を見ていることにはならないと思っています。
なぜなら、赤ちゃんは「お腹の中にいる」からです。
赤ちゃんの向きだけを見るのではなく、その赤ちゃんがいる場所――お母さんの身体全体を見る必要があると考えています。
まず見るのは、お腹です
逆子治療で私がかなり大切にしているのが、お腹の状態です。
触れてみると、
- お腹全体が硬いのか
- 一部分だけ張っているのか
- どこが柔らかいのか
- お腹の形はどうなっているのか
- 赤ちゃんがどのあたりにいるのか
- 以前と比べて変化しているのか
など、いろいろなことが分かります。
同じ「逆子」でも、お腹の状態は人によって違います。
だから、全員に同じツボ、同じお灸、同じ体操をすればいいとは考えていません。
赤ちゃんを動かすことを意識するより、赤ちゃんが動きやすい環境をつくることのほうがよほど大切です。
私が逆子治療をするときの感覚は、こちらに近いです。
お母さんの身体も見ています
そして、お腹だけではありません。
眠れているか、疲れていないか、冷えていないか。
呼吸やお通じ、食欲、普段の生活はどうか。
そうしたことも含めて、その人の身体全体を見ていきます。
東洋医学では、症状だけを切り取らず、その人全体を見ながら身体を整えるという考え方があります。
「逆子に効くツボ」だけを探すのではなく、
「今、この身体に何が起きているのか」
を考える。
それが、七施鍼灸院の逆子治療です。
「赤ちゃんを回す」より、「動きやすい身体」を
逆子治療というと、
「お灸で赤ちゃんを回す」
というイメージを持っている方も多いと思います。
もちろん、逆子に対してお灸を使います。
でも、私自身は「お灸で赤ちゃんを直接回す」という感覚ではありません。
お母さんの身体を整える。
お腹の緊張をみる。
睡眠や生活リズムを整える。
必要であれば、体操や姿勢についても一緒に考える。
そうして、赤ちゃんが自分で動ける環境を整えていく。
その結果として、赤ちゃんが頭を下にしてくれる可能性がある。
そんなふうに考えています。
だから、逆子体操についても「毎日、何回やればいい」という一律の指導はしていません。
お腹が張りやすい方が、真面目に頑張りすぎてしまうこともあります。
「赤ちゃんのために頑張らなきゃ」と思っているのに、結果としてお母さんの身体が疲れてしまう。
それでは本末転倒です。
七施鍼灸院では、妊娠週数、赤ちゃんの位置、お腹の状態、張りやすさなどを見ながら、その方に合った方法を考えます。
睡眠やお通じも、逆子治療の一部です
少し意外に感じるかもしれません。
「逆子なのに、どうして睡眠やお通じの話をするの?」
と思うかもしれません。
でも、私はここを大切にしています。
逆子治療の評価でも、鍼灸を受けた直後に胎動が強くなったかどうかだけを見るのではありません。
むしろ、
「昨日はよく眠れました」
「お通じが良くなりました」
「食欲が戻りました」
「気持ちが少し楽になりました」
「お腹の張りが減りました」
といった変化を大切にしています。
赤ちゃんがいつ頭を下にしたのかは、実際には分からないことがほとんどです。
だから、胎動の一つ一つに、
「今、回った?」
「まだ回ってない?」
と一喜一憂する必要はありません。
まずは、お母さん自身が少し心地よく過ごせる身体に戻っていくこと。
その変化を大切にしています。
逆子は「赤ちゃんだけの問題」ではない
もちろん、これは、
「お母さんの身体が悪いから逆子になる」
という意味ではありません。
そこは、先ほどの「逆子だから、お母さんが何か悪かったわけではありません」という話ともつながります。
逆子になった原因を、お母さんの生活のどこか一つに押しつけたいわけではありません。
そうではなく、
赤ちゃんが今いる環境を、お母さんの身体も含めて一緒に見てみる。
そのくらいの意味です。
赤ちゃんは、お母さんのお腹の中にいます。
だからこそ、
「赤ちゃんの向きを変える」だけではなく、
「赤ちゃんとお母さんが過ごしている環境を整える」。
私は、それが逆子治療の大切なところだと思っています。
七施鍼灸院の逆子治療
七施鍼灸院では、逆子の治療をするときに、
妊娠週数だけでも、赤ちゃんの向きだけでも判断しません。
お腹の状態。
赤ちゃんの位置。
睡眠。
お通じ。
食欲。
疲労。
冷え。
ストレス。
普段の生活。
そして、妊婦さん自身が今どんな気持ちで過ごしているのか。
そうしたものを一緒に見ながら、その方に合った治療を考えていきます。
私は東京で20年間、逆子に関わってきました。
その経験から、今の私が一番大切だと思っているのは、
「どうやって赤ちゃんを回すか」だけではありません。
「どうすれば、お母さんが少し安心して出産まで過ごせるか」。
妊娠週数
逆子の相談で、最初に確認することの一つが妊娠週数です。
「何週ですか?」
これは単純な質問に見えますが、逆子を考えるうえでは、とても大切な情報です。
妊娠週数が早いほど、赤ちゃんはまだ小さく、子宮の中にも動けるスペースがあります。
そのため、妊娠の途中では、頭が下を向いていたと思ったら横向きになったり、お尻が下になったり、また頭位に戻ったり……ということもあります。
ですから、まだ妊娠週数が早い時期に「逆子ですね」と言われても、それだけで慌てる必要はありません。
私の場合、28週以前で、推定児体重がまだ1,000g未満くらいであれば、赤ちゃんがいろいろな場所にいることも多いので、「逆子治療」ということをそこまで気にしなくてもよい場合があると考えています。
一方で、週数が進むにつれて赤ちゃんは大きくなり、子宮の中で自由に動けるスペースも少なくなっていきます。
だから、逆子が気になるのであれば、早めに相談しておくことで選択肢が増えるという考え方もできます。
ただし、ここで勘違いしてほしくないことがあります。
「早いほどいい」
「遅くなったらもう無理」
という単純な話ではありません。
実際に私は、
- 28週から治療を始めたけれど、最後まで逆子だった方
- 34週以降に初めて来院され、その後に頭位になった方
- 36週以降に赤ちゃんが下を向いたケース
を経験しています。
また、それまで頭位だったのに、34週の健診で突然「逆子」と言われた方や、頭位・骨盤位・横位を行ったり来たりしている赤ちゃんもいます。
そういう場合には、妊娠後期であっても赤ちゃんが動くことがあります。
だから私は、「何週だからもう無理」とは考えていません。
では、何を見ているのか。
妊娠週数は、その人の状態を考えるための一つの判断材料です。
ほかにも、
- 赤ちゃんが今どこにいるのか
- これまでどんな向きをしてきたのか
- お腹が張りやすいのか
- お腹の硬さや形はどうか
- 睡眠は取れているか
- お通じはどうか
- 疲れやストレスはないか
- 普段どんな生活をしているのか
などを合わせて見ていきます。
これは、七施鍼灸院で逆子を**「赤ちゃんの向きだけの問題」として見ていない**からです。
妊娠週数だけで判断するのでもない。
赤ちゃんの向きだけで判断するのでもない。
今の妊婦さんと赤ちゃんの状態を、一緒に見ていく。
それが私の逆子治療です。
そして、妊娠週数が進んでいるからといって、必要以上に焦る必要もありません。
逆子治療の目的は、「○週までに何としても回す」ということではないからです。
もちろん、出産が近づけば、出産方法について主治医の先生と相談する必要があります。
その医学的な判断は、妊婦健診を担当している先生の指示を優先してください。
そのうえで七施鍼灸院では、
「今の週数で、今の身体で、今できることは何か」
を一緒に考えていきます。
お腹の硬さ・張り
逆子の治療で、私がかなり大切にしているのがお腹の状態です。
「逆子なのだから、赤ちゃんの頭がどこにあるのかを見ればいい」
と思われるかもしれません。
もちろん、赤ちゃんの位置は確認します。
でも、それと同じくらい、
お腹がどんな状態なのか。
ここを見ています。
触れてみると、
- お腹全体が硬いのか
- 一部分だけ張っているのか
- どこが硬く、どこが柔らかいのか
- お腹の形はどうなっているのか
- 赤ちゃんがどのあたりにいるのか
- 以前と比べて変化しているのか
など、いろいろなことが分かります。
お腹は、毎日同じではありません。
よく眠れた日は柔らかい。
疲れている日は硬い。
仕事が忙しかった日は張っている。
そんな変化もあります。
だから私は、「逆子だから、このツボ」という単純な治療はしません。
赤ちゃんが動きやすい環境をつくるには、今のお腹をどう整えたらいいのか。
そこから考えていきます。
もちろん、お腹の張りや痛みなど、妊娠中の症状については自己判断せず、必要に応じて主治医へ相談してください。
睡眠
逆子の相談で意外に思われるかもしれませんが、睡眠もかなり見ています。
何時に寝ていますか?
夜中に何度も目が覚めませんか?
朝起きたとき、ちゃんと眠った感じがありますか?
「逆子なのに、どうして睡眠?」
と思われるかもしれません。
でも、私の臨床経験では、睡眠が乱れている方は、お腹も硬くなりやすい印象があります。逆に、生活リズムが整って眠れるようになったことで、身体の状態が変わってくる方もいます。
妊娠中は、
「赤ちゃんのために何かしなきゃ」
と頑張りがちです。
逆子体操をして、お灸をして、ネットで調べて……。
その結果、寝る時間まで遅くなってしまう。
それでは少し本末転倒です。
以前、私は「胎児の体内時計」についても書きましたが、妊娠中のお母さんの生活リズムや光環境などが、赤ちゃんの発達にも関わっていると考えられています。
逆子だからという理由だけでなく、妊娠中の身体を整えるという意味でも、まず眠ること。
案外、ここが大切なのかもしれません。
「夜ふかししながら逆子体操」
より、
「今日はもう寝よう」
のほうがいい日だってあります。
お通じ
逆子の治療なのに、
「便秘はありますか?」
と聞かれると、少し意外に感じるかもしれません。
でも、七施鍼灸院ではお通じも確認します。
便秘が続いていないか。
何日くらいの間隔なのか。
薬を使わないと出ないのか。
逆に、下痢を繰り返していないか。
こうした消化器の状態も、身体全体を見るうえで大切な情報です。
以前、30週1日で来院された妊婦さんで、初診時にはお通じが3日に1回だったものが、その後、薬を使わなくても毎日、または2日に1回自然に出るようになったケースがありました。
もちろん、
「便秘を治せば逆子が治る」
という単純な話ではありません。
そうではなく、
身体全体の調子がどう変化しているのかを見る一つの目安
として、お通じを見ています。
逆子だけを見ていると、
「赤ちゃん、まだ回らない」
ということばかり気になってしまいます。
でも、
「最近、ちゃんと出るようになった」
という変化も、身体が整ってきている大切なサインかもしれません。
だから私は、逆子治療でも赤ちゃんの向きだけではなく、お母さんの身体の変化を見るようにしています。
食欲・気分
「最近、食欲はどうですか?」
「気分はどうですか?」
これも、逆子の治療で確認することがあります。
食欲が落ちていないか。
食べてもおいしく感じないのか。
逆に食べ過ぎてしまうのか。
イライラしていないか。
不安が強くなっていないか。
気持ちが落ち込んでいないか。
こうしたことも、その人の身体を知るための情報です。
七施鍼灸院では、逆子治療の変化を見るときにも、食欲や気分が安定してきたかどうかを一つの評価材料にしています。
逆子と言われると、どうしても、
「赤ちゃんが回ったか」
だけが気になります。
でも、私はそれだけではなく、
「お母さん自身が少し元気になっているか」
も見ています。
よく眠れるようになった。
ご飯がおいしく食べられるようになった。
お通じが良くなった。
少し気持ちが楽になった。
こういう変化が出てきたなら、それも身体が変わってきた証拠です。
逆子治療は、赤ちゃんの向きを変えるためだけの時間ではありません。
妊娠中のお母さん自身の身体を整える時間でもある。
私はそう考えています。
冷え
「逆子には冷えがよくないんですよね?」
これは、よく聞かれる質問です。
東洋医学では、冷えを身体の状態を見るうえで大切な要素として考えます。
ただ、私は、
「冷えたから逆子になった」
と単純には考えません。
ここは、先ほどの
「逆子だから、お母さんが何か悪かったわけではありません」
という話ともつながります。
「冷やしたから逆子になった」
と考えてしまうと、
「私の生活が悪かったんだ」
と、お母さん自身を責めることになってしまうからです。
七施鍼灸院で見る「冷え」は、もっと身体全体の状態として捉えています。
手足が冷たいのか。
お腹はどうなのか。
温かいところと冷たいところに偏りはないか。
普段から冷えを感じているのか。
疲れているときに冷えやすいのか。
そうしたことを見ながら、その人に合った整え方を考えます。
だから、
「逆子だから、とにかく身体を温めなければ」
と頑張りすぎる必要もありません。
大切なのは、無理やり温めることではなく、その人にとって心地よく過ごせる身体の状態をつくることです。
呼吸
そして、意外と見落とされやすいのが呼吸です。
普段、ちゃんと息を吐けていますか?
呼吸が浅くなっていませんか?
肩に力が入っていませんか?
緊張しているとき、人は知らないうちに呼吸が浅くなります。
妊娠中は、身体の変化だけでも大きな負担があります。
そこに仕事や家事、出産への不安、逆子への心配が重なると、身体がずっと緊張したままになっていることもあります。
東洋医学的にも、七施鍼灸院では呼吸を、お腹の緊張や身体全体の状態を見る一つの要素として考えています。
だから、逆子と言われて、
「もっと運動しなきゃ」
「もっとお灸しなきゃ」
「もっと何かしなきゃ」
と焦っている方には、
「まず、ゆっくり息を吐いてみましょう」
と伝えたいことがあります。
身体を変えるために、何かを足すことばかりが必要とは限りません。
力を抜く。
休む。
息を吐く。
そういう「何もしない時間」が必要なこともあります。
普段の生活
最後に、私が大切にしているのが普段の生活です。
逆子の治療に来られた方に、
「仕事は何をされていますか?」
「一日、どのくらい動いていますか?」
「運動習慣はありますか?」
「普段、何時くらいに寝ますか?」
「最近、忙しくありませんでしたか?」
など、いろいろなことをお聞きします。
これは、生活指導をするために「正しい生活」を探しているわけではありません。
その人の身体が、どういう毎日を送っているのかを知るためです。
現在の七施鍼灸院の記事でも、つわりの強さ、便秘や下痢、足がつりやすいか、仕事の内容、運動習慣などを、身体の状態を見る参考にしています。
たとえば、
仕事で一日中立っている人。
デスクワークでほとんど身体を動かさない人。
上の子のお世話で、ゆっくり座る時間もない人。
家事を全部一人で抱えている人。
妊娠してからも仕事を休めず、睡眠時間を削っている人。
同じ「逆子」でも、身体が置かれている環境はまったく違います。
だから、同じ治療をすればいいとは思いません。
そして、ここでも大切なのは、
「あなたの生活が悪いから逆子になった」
という話ではないということ。
そうではなく、
「今の生活の中で、少し減らせるものはないかな」
「少し休める時間は作れないかな」
「もう少し眠れるようにできないかな」
と、一緒に考えていきます。
以前の記事で私は、
という感覚で逆子治療をしている、と書きました。
これは、赤ちゃんをこちらの思い通りに動かすということではありません。
むしろ逆です。
こちらがコントロールしようとする力を少し抜いて、赤ちゃん自身が動ける環境を整える。
逆子体操も、お灸も、生活改善も、そのための手段の一つです。
だから七施鍼灸院では、
「逆子だから、これをやってください」
と一律に決めるのではなく、
「今のあなたの身体なら、何をしたら少し楽になれるだろう?」
というところから考えます。
赤ちゃんの向きだけを見るのではなく、
赤ちゃんがいる場所と、その場所をつくっているお母さんの身体を見る。
それが、七施鍼灸院の逆子治療です。
逆子のお灸は、何をしているの?
「逆子にはお灸がいい」
そんな話を聞いたことがある方も多いと思います。
実際、七施鍼灸院でも逆子の治療にお灸を使います。
では、いったいお灸で何をしているのでしょうか。
「お灸の熱で赤ちゃんを刺激して、頭を下に向ける」
そんなイメージを持っている方もいるかもしれません。
でも、私は「お灸で赤ちゃんを回す」とは考えていません。
赤ちゃんは、こちらの言うことを聞いてくれる人形ではありません。
お灸をしたから、
「はい、今から頭を下にしてください」
と命令して、くるっと回ってくれるわけではない。
では、なぜお灸をするのか。
それは、
お母さんの身体を整えて、赤ちゃんが動きやすい環境をつくるため。
私はそう考えています。
逆子のお灸は、何をしているの?
逆子のお灸でよく使われるツボ
逆子の鍼灸治療で、昔からよく使われてきたツボがあります。
代表的なのが、
三陰交(さんいんこう)
そして、
至陰(しいん)
です。
三陰交は足の内側、至陰は足の小指側にあるツボです。
逆子のお灸というと、「至陰にお灸をする」という話を聞くことが多いかもしれません。
実際、これらは逆子治療でよく用いられてきた代表的なツボです。
ただ、ここで誤解してほしくないのは、
「逆子=至陰にお灸」
と機械的に考えているわけではない、ということです。
七施鍼灸院では、妊娠週数やお腹の状態、睡眠、冷え、疲労、呼吸、生活などを確認しながら、その方の身体に必要な治療を考えます。
同じ「32週の逆子」でも、身体の状態は一人ひとり違います。
だから、使うツボも、刺激の仕方も、セルフケアの内容も、同じとは限りません。
ツボの名前を覚えることよりも、
「なぜ今、このツボにお灸をするのか」
を考えることのほうが大切だと思っています。
「お灸で赤ちゃんを回す」と考えているわけではありません
ここは、七施鍼灸院の逆子治療を理解していただくうえで、とても大切なところです。
私は、
「お灸をすれば赤ちゃんが回る」
とは考えていません。
もちろん、逆子を治すためにお灸をします。
頭位になってくれれば嬉しいです。
でも、お灸が赤ちゃんを直接「回す」のではありません。
赤ちゃんには赤ちゃんの動きがあります。
こちらの都合で、
「そろそろ回ってください」
と命令できるものでもありません。
だから私は、赤ちゃんそのものを動かそうとするより、
赤ちゃんが動きやすいように、お母さんの身体を整える。
そちらに目を向けます。
これは、逆子の治療だけに限った話ではありません。
鍼灸というのは、身体を無理やり変えるというより、身体が本来持っている働きが発揮しやすい状態をつくることが得意な治療だと私は考えています。
もちろん、これは東洋医学・鍼灸臨床から見た私自身の考え方でもあります。
だからこそ、
「このツボにお灸をすれば、赤ちゃんが回る」
という単純な話にはしたくありません。
こちらはつい、「なんで回らないんだろう」と考えてしまいます。
でもそこで少し視点を変えて、「この子には、この子の事情があるのかもしれない」と思えるかどうか。
実はこれ、子育ての予行練習そのものだったりするんです。
動きやすい環境とは?
では、「赤ちゃんが動きやすい環境」とは何でしょうか。
私は、赤ちゃんだけを見ていても分からないことが多いと思っています。
そこで、
- お腹が硬くなっていないか
- 張りやすくないか
- 睡眠は取れているか
- お通じはどうか
- 食欲はあるか
- 気分は安定しているか
- 呼吸が浅くなっていないか
- 身体が疲れていないか
- 冷えがないか
- 普段どんな生活をしているか
などを見ていきます。
なぜなら、妊婦さんの身体と赤ちゃんのいる環境は、完全に別々ではないからです。
実際、七施鍼灸院では、逆子治療の評価を「赤ちゃんが動いたか」だけに置いていません。
- 睡眠が深くなった。
- お通じが良くなった。
- 食欲が出てきた。
- 気分が安定した。
- お腹の張りや形が変わった。
そうした変化も大切にしています。
そして、そうやってお母さんの身体が整っていくことが、結果として赤ちゃんにとっても動きやすい環境につながるのではないかと考えています。
だから、
「逆子を治すためにお灸をする」
というより、
「赤ちゃんが動きやすい身体の状態をつくるために、お灸をする」
というほうが、七施鍼灸院の考え方には近いと思います。
逆子体操は、頑張れば頑張るほどいいわけではない
逆子と言われると、
「何かしなきゃ」
と思いますよね。
病院で逆子体操を教えてもらったら、一生懸命やる。
お灸を勧められたら、毎日やる。
「赤ちゃんが回るまで頑張らなきゃ」
となってしまう。
真面目な方ほど、そうなります。
そして、頑張りすぎてしまう。
以前の記事にも書きましたが、逆子体操そのものが悪いわけではありません。
有効な場合もあります。
ただ、身体の状態によっては、体操を頑張りすぎてお腹が張ったり、苦しくなったりすることもあります。
だから七施鍼灸院では、全員に同じ逆子体操を同じ量だけ勧めることはしていません。
妊娠週数。
赤ちゃんの位置。
お腹の状態。
張りやすさ。
その人の体調。
そうしたものを見ながら、その方に合った方法を考えます。
逆子だからといって、
「頑張ること」そのものが治療になるわけではありません。
むしろ、
「もう十分やっていますよ」
と伝えたほうがいい人もいます。
日本人、だいたい「休んでください」が一番難しいんですよね。
逆子になると、
「もっと頑張らなきゃ」
となりがちですが、
身体を緩めること、眠ること、安心することも、身体を整える大切な時間です。
詳しくはこちらの記事にまとめています。
→ 「逆子のお灸と体操の本当の目的|『頑張る』が逆効果になる理由」
横向きだけは本末転倒になることもあります
20年以上の経験がある逆子治療
七施鍼灸院は、もともと東京・南青山、外苑前で20年間、鍼灸院をしていました。
その20年間の中で、逆子のご相談もたくさんいただき、逆子で心配になっている多くの妊婦さんと関わってきました。
もちろん、最初から「逆子を専門にしよう」と思っていたわけではありません。
妊婦さんの治療を続けているうちに、逆子のご相談が増え、気がつけば2,200例を超えていました。
その一人ひとりを診てきた経験が、現在の七施鍼灸院の逆子治療につながっています。
東京で20年間、そして現在は広島で。
これまでの経験をもとに、逆子と言われた妊婦さんと一緒に、今できることを考えています。
逆子治療について、講演もしてきました
これまで、逆子治療について鍼灸師の先生方に向けて講演する機会もいただいてきました。
2024年には東洋はり医学会渋谷支部で、2026年にも東京で、逆子治療についてお話ししています。
講演では、これまでの経験を振り返りながら、「逆子治療で何を大切にしているのか」を、自分自身にも問い直すことになります。
そのときに考えたことや講演の内容については、こちらの記事にまとめています。
→ 東京スキンタッチ会の勉強会で逆子治療の講義をしました|2014年
→ 山梨県鍼灸師会で妊娠期の治療についてお話させていただきました|2016年
→ 名古屋で開催された勉強会に呼ばれました|2018年
→ 逆子治療について講演しました|2024年
→ 東京で逆子治療について話してきました|2026年
逆子についての臨床考察が鍼灸ジャーナル誌に掲載されました
これまでの経験をもとに、逆子治療についての臨床考察も発表しています。
鍼灸師向けの雑誌に、「逆子の臨床考察」大下義武として執筆しました。
これまでの臨床で何を見て、何を考えて治療してきたのかを、あらためて整理したものです。

逆子の治療では、どんなことをしますか?
「逆子の鍼灸って、何をするんですか?」
初めての方は、そこが一番気になるところかもしれません。
「お腹に鍼をするの?」
「痛くない?」
「お灸は熱くない?」
「逆子体操もやらされるの?」
いろいろ心配になりますよね。
七施鍼灸院の逆子治療は、単純に「逆子に効くツボへ鍼やお灸をする」というだけではありません。
まず妊婦さんのお話を聞き、今のお身体の状態を確認します。
そのうえで、必要な鍼灸を行い、逆子体操や姿勢、自宅でのお灸、睡眠や生活についても一緒に考えていきます。
現在の治療案内でも、逆子についてはお灸だけでなく、体操・姿勢・睡眠・食事・運動・気持ちの持ちようなどまで含めて相談する形で案内しています。
「逆子を治すために、あれもこれも頑張りましょう」
という治療ではありません。
今の身体に必要なことを見つけていく。
それが七施鍼灸院の逆子治療です。
初回の問診
最初に、いろいろなお話を伺います。
もちろん、
「現在何週ですか?」
「いつから逆子と言われましたか?」
「赤ちゃんは今、どんな向きですか?」
といった、逆子そのものについてのお話も聞きます。
でも、それだけではありません。
たとえば、
- 初産か経産婦か
- つわりはどうだったか
- 睡眠は取れているか
- お通じはどうか
- 食欲はあるか
- 冷えを感じるか
- 足がつりやすいか
- 仕事はどんな内容か
- 普段どのくらい身体を動かしているか
- 最近、疲れていないか
- ストレスを感じていないか
なども伺います。
「逆子なのに、なんでそんなことまで?」
と思われるかもしれません。
でも、七施鍼灸院では、逆子だけを切り取って見ないようにしています。
東洋医学では、一つの症状だけを見るのではなく、その人全体を見ながら身体の状態を考えていきます。
だから、逆子の治療でも同じです。
そして、問診は「正しい生活をしているか」を採点する時間ではありません。
「ちゃんと寝ていますか?」
「ちゃんと運動していますか?」
と問い詰めるためのものでもありません。
むしろ、
「今、どんな毎日を過ごしていますか?」
を知るための時間です。
お身体の状態を確認
問診のあとは、実際にお身体を確認します。
逆子治療で特に大切にしているのが、お腹の状態です。
お腹に触れて、
- お腹の形
- 張っている場所
- 硬い場所、柔らかい場所
- 赤ちゃんのいる位置
- 胎動の位置
- 全体の緊張
などを確認します。
同じ「逆子」でも、お腹の状態は一人ひとり違います。
そして、同じ人でも、
昨日は硬かったのに今日は柔らかい。
午前中は楽だったのに夕方になると張る。
仕事をした日はお腹が硬い。
よく眠れた翌日は身体が楽。
そんな変化があります。
ですから、
「逆子だから、この場所に鍼をする」
と最初から決めているわけではありません。
その日の身体を見て、必要なところを考えます。
また、脈や皮膚の状態など、東洋医学的な身体の見方も使いながら、全体の状態を確認します。逆子治療の評価でも、脈や皮膚の艶、気持ちの変化などを参考にしていると説明しています。
鍼灸治療
身体の状態を確認したうえで、鍼灸治療を行います。
「逆子だから、必ずこのツボ」
という一律の治療ではありません。
その日の状態を見ながら、必要な場所に鍼やお灸を使います。
七施鍼灸院では、逆子治療を
「赤ちゃんを鍼で動かす」
という考えはありません。
お母さんの身体を整え、
赤ちゃんが動きやすい環境をつくる。
そのために鍼灸を使います。
ですから、逆子の状態だけではなく、
お腹の張り、
睡眠、
冷え、
疲労、
ストレス、
消化器の状態なども含めて考えます。
鍼灸が初めての妊婦さんには、
「鍼って痛くないですか?」
と聞かれることもあります。
もちろん感じ方には個人差がありますが、妊娠中の身体に対して、必要以上に刺激を強くすることは考えていません。
「効かせるために強くする」
という発想ではなく、
「今の身体に必要な刺激を入れる」
という考え方です。
お灸
逆子治療といえば、「お灸」を思い浮かべる方も多いと思います。
七施鍼灸院でも、お灸を大切な治療の一つとして使います。
ただし、
熱ければ熱いほど効くわけではありません。
また、
たくさんやればやるほど良いわけでもありません。
逆子と言われると、真面目な方ほど、
「毎日やらなきゃ」
「たくさんやったほうがいい」
「熱いのを我慢しなきゃ」
と頑張ってしまいます。
でも、現在の記事でも、逆子体操やお灸は「頑張りすぎ」がかえって身体をつらくすることがあるため、量ではなく、その人の状態に合っているかを大切にしています。
だから七施鍼灸院では、
「どこに、どのくらい、どうやってお灸をするのか」
まで含めて、その方に合わせて説明します。
必要であれば、ご自宅でできるお灸についてもお伝えします。
「逆子だから、とにかくお灸!」
ではありません。
お灸も、身体を整えるための一つの手段です。
逆子体操・姿勢について
逆子体操についても、よく質問されます。
「病院で教えてもらったんですが、やったほうがいいですか?」
「毎日何分くらいやればいいですか?」
「もっと長くやったほうがいいですか?」
ここでも、七施鍼灸院では、
全員に同じ体操を勧めるわけではありません。
今のお身体の状態、
赤ちゃんの位置、
妊娠週数、
お腹の張りやすさなどを見ながら、その方に合った方法を考えます。
もちろん、逆子体操が合う方もいます。
でも、体操を頑張ることでお腹が張ってしまう方もいます。
そういう場合は、
「もっと頑張りましょう」
ではなく、
「少し減らしましょう」
ということもあります。
姿勢についても同じです。
「この姿勢なら絶対に赤ちゃんが回る」という魔法の姿勢があるわけではありません。
今の身体が楽なのか。
呼吸がしやすいのか。
お腹に無理な力が入っていないか。
そんなところから考えていきます。
自宅でできること
治療院で身体を整えても、次に来院するまでの時間のほうが長いですよね。
だから、自宅でできることも一緒に考えます。
必要に応じて、
- 自宅でのお灸
- 逆子体操
- 姿勢
- 軽い運動
- 睡眠
- 食事
- 生活リズム
などについてお伝えします。
ただし、ここでも「全部やってください」とは言いません。
むしろ、
やることを増やしすぎない
ことを大切にしています。
逆子と言われると、インターネットで調べれば調べるほど、やることが増えていきます。
「このツボ」
「この体操」
「この寝方」
「この食べ物」
……と、気がつけば一日中、逆子のことを考えている。
それでは、お母さんが疲れてしまいます。
七施鍼灸院では、今の身体に本当に必要なことを、必要な分だけお伝えします。
「何もしないでください」
ということも、場合によっては立派なアドバイスです。
次回までの過ごし方
治療が終わったら、
「次の予約まで、何をしたらいいですか?」
という話をします。
ここも、七施鍼灸院の逆子治療では大切な時間です。
お灸をするのか。
逆子体操をするのか。
姿勢を少し変えるのか。
運動をするのか。
睡眠を優先するのか。
食事を見直すのか。
あるいは、何も頑張らずに休むのか。
その方の状態によって変わります。
現在の治療案内でも、逆子治療については、お灸だけではなく、体操や姿勢、睡眠、食事、運動、気持ちの持ちようなどまで含めて指導するとしています。
そして、次回来院したときには、
「赤ちゃんは回ったかな?」
だけを確認するわけではありません。
たとえば、
「よく眠れましたか?」
「お通じはどうでしたか?」
「食欲はありますか?」
「気分はどうですか?」
「お腹の張りはどうですか?」
「前回と比べて身体はどうですか?」
というところも見ます。
なぜなら、七施鍼灸院では、治療の変化を「胎動が増えたか」だけでは評価しないからです。
実際に、睡眠が深くなった、お通じが良くなった、食欲が出た、気分が安定した、お腹の形が柔らかくなった、といった日常生活の変化を大切な評価ポイントとしています。
そして何より、
「逆子を治すために、毎日頑張らなきゃ」
と追い込まれないこと。
これはかなり大事です。
日本人、だいたい「休んでください」が一番難しいので(笑)。
逆子体操も、お灸も、運動も、睡眠も、
「赤ちゃんのために頑張る」ためではなく、赤ちゃんとお母さんが少し楽に過ごすため。
そんなふうに考えてもらえたらと思っています。
逆子治療は、治療院に来て鍼とお灸を受けて終わり、ではありません。
治療院で身体を見て、整えて、自宅では必要なことだけをする。
そして次回来院したときに、身体がどう変わったのかを一緒に確認する。
その繰り返しです。
「何をすれば逆子が治りますか?」
という質問に対して、私はいつも少し困ります。
なぜなら、逆子は「これをすれば必ず治る」というものではないからです。
だからこそ、
「今のあなたの身体なら、何をしたらいいのか」
を一緒に考えます。
それが、七施鍼灸院の逆子治療です。
逆子が治らなかったら?
ここは、七施鍼灸院の逆子治療を知っていただくうえで、ぜひ読んでほしいところです。
「2,200例以上の逆子を診てきました」
そうお伝えすると、
「それなら、ほとんど治るんですよね?」
と思われるかもしれません。
でも、そうではありません。
鍼灸治療をしても、最後まで逆子のままの赤ちゃんはいます。
帝王切開になった方もいます。
これは、七施鍼灸院にとって隠したい話ではありません。
むしろ、逆子治療を語るなら、避けてはいけない話だと思っています。
逆子治療を受ければ、必ず頭位になる。
○週までなら、必ず治る。
このツボにお灸をすれば、赤ちゃんが回る。
そんな簡単な話ではありません。
もちろん、私はできることなら赤ちゃんには頭を下に向けてほしいと思っています。
だからこそ、鍼やお灸をします。
妊婦さんの身体を見ます。
睡眠やお通じ、食事、姿勢、運動、普段の生活についても一緒に考えます。
その時点でできることを探していきます。
そして、頭位になったときは、妊婦さんと一緒に「よかったですね」と喜びます。
でも、私は逆子治療の結果を、
「頭位になった=成功」
「逆子のまま=失敗」
だけで評価したくありません。
治療を通して、
「少し眠れるようになった」
「お腹が楽になった」
「便通が良くなった」
「身体が少し楽になった」
「逆子のことばかり考えていたけれど、不安が少し減った」
そんな変化があったなら、それも大切な変化です。
そして、最後まで逆子だったとしても、
その人が納得して出産の日を迎えられるようにすること。
それも、鍼灸師にできることの一つだと思っています。
逆子治療の目的は、もちろん「赤ちゃんに頭を下に向けてもらうこと」です。
でも、それだけではありません。
逆子と言われて不安になり、何をしたらいいのか分からなくなっている妊婦さんが、
「自分にできることはやった」
と思えること。
そして、どんな出産になったとしても、できるだけ落ち着いてその日を迎えられること。
私は、それも逆子治療の大切な役割だと考えています。
多くの逆子に関わってきたからこそ、私は「必ず治ります」とは言いません。
治ったケースもあります。
治らなかったケースもあります。
その両方を含めて、これまでの経験をお伝えしていきます。
鍼灸を受けたのに逆子が治らなかった
「せっかく鍼灸を受けたのに、逆子が治りませんでした」
そういう結果になることもあります。
治療する側としては、もちろん残念です。
「回ってほしい」と思って治療していますから、頭位になれば嬉しい。
妊婦さんと一緒に、
「よかったですね」
と言いたい。
でも、赤ちゃんが回らなかったからといって、
「治療が失敗した」
とだけ考えることはできません。
逆子は、私たちがスイッチを押せば赤ちゃんが決められた方向へ動く、というものではないからです。
妊娠週数も違います。
赤ちゃんの大きさも違います。
子宮の状態も違います。
お母さんの身体も違います。
それまでの妊娠経過も違います。
そして、赤ちゃん自身も違います。
だから、
「この治療をしたら、必ずこうなる」
とは言えません。
むしろ2,200例以上の経験があるからこそ、私はそこを簡単に断言できなくなりました。
早い週数から治療しても治らないことがある。
34週、36週以降からでも頭位になることがある。
同じような状態でも、結果が違うことがある。
だから七施鍼灸院では、
「何週なら治る」
「この方法なら治る」
という言い方はしません。
その時、その人の身体を見て、
「今できることは何か」
を一緒に考えます。
帝王切開になったら失敗なのか
逆子が治らなければ、帝王切開になることがあります。
すると、
「自然分娩できなかった」
「逆子を治せなかった」
「私のせいだったのかな」
と、自分を責めてしまう方もいます。
でも、
帝王切開になったことは、失敗ではありません。
もちろん、逆子が治って経腟分娩を迎えられたら嬉しい。
でも、出産の目的は、
「自然分娩という方法を達成すること」ではなく、お母さんと赤ちゃんが安全に出産を迎えることです。
帝王切開が必要だと判断されたのであれば、その医学的な判断を尊重することが大切です。
七施鍼灸院でも、帝王切開になることを「治療の敗北」のようには考えていません。
以前の記事でも、回らない赤ちゃんがいること、帝王切開になることもあることを明記しています。
そして、これはとても大切なことですが、
逆子になったことも、お母さんの失敗ではありません。
冷えたから。
運動不足だったから。
寝方が悪かったから。
何かを食べなかったから。
何かを頑張らなかったから。
そんなふうに、自分を責める必要はありません。
赤ちゃんには赤ちゃんの事情があります。
だから、もし帝王切開になったとしても、
「私が逆子を治せなかった」
ではなく、
「この子と一緒に、こういう出産を選んだ」
くらいに思ってもらえたらと思います。
逆子治療で大切なのは「結果」だけなのか
もちろん、結果は大切です。
逆子なら、頭位になってほしい。
それは当然です。
治療する側だって、結果を求めます。
知識も必要です。
技術も必要です。
経験も必要です。
でも、長く逆子治療を続けていると、
それだけではないのではないか
と思うようになりました。
七施鍼灸院では、逆子治療の変化を「赤ちゃんが回ったか」だけでは評価していません。
たとえば、
よく眠れるようになった。
お通じが良くなった。
食欲が出てきた。
気分が安定してきた。
お腹が柔らかくなった。
身体が少し楽になった。
そうした変化も、大切な治療の評価です。
そして、もっと大きな変化として、
「逆子と言われてからずっと怖かったけれど、少し安心できた」
ということもあります。
2026年に逆子治療について講義をした際、私は「逆子治療は不安を減らすことでもある」という話をしました。
逆子治療というと、どうしても、
「戻るか、戻らないか」
「何週までなら可能性があるか」
「どのツボを使うか」
という技術の話になりがちです。
でも、実際に妊婦さんと向き合っていると、安心して出産を迎えられることそのものが、とても大切だと感じます。
だから私は、
「治ったからよかった」
だけではなく、
「少し安心して帰れたなら、それも治療の一部だった」
と考えています。
出産までの時間をどう過ごすか
逆子が最後まで治らなかったとしても、出産の日まで時間は続きます。
その時間を、
「どうして治らなかったんだろう」
「私の何が悪かったんだろう」
「もっと何かしなきゃ」
と自分を責めながら過ごすのか。
それとも、
「この子は、この向きで生まれてくるのかもしれない」
と少しずつ受け入れながら、
残りの妊娠期間を、この子と一緒に過ごすのか。
私は、後者であってほしいと思っています。
逆子を治すためにできることは、できる範囲でやればいい。
鍼灸もその一つです。
お灸も、体操も、生活を整えることも、その一つです。
でも、それらがいつの間にか、
「絶対に治さなければならない義務」
になってしまったら、少し立ち止まってほしい。
逆子を治すことに必死になって、
眠れなくなる。
食事も楽しめなくなる。
一日中、胎動ばかり気にする。
ネットで「逆子 治す方法」を検索し続ける。
それでは、お母さんの身体も心も休まりません。
以前の記事でも、胎動を治療評価の中心にすると、妊婦さんの不安が強くなることがあるため、睡眠やお通じ、食欲、気分などの変化を大切にしていると書いています。
そして私は、逆子治療を通して、
「赤ちゃんを親の予定表に合わせること」ではなく、「赤ちゃんと一緒に生きること」
を考えるようになりました。
胎児もまた、一人の他者です。
こちらの思い通りにはなりません。
それは、ある意味では当たり前のことです。
それでも、できることはあります
だからといって、
「治らなくてもいいんだから、何もしなくていい」
と言いたいわけではありません。
できることはあります。
身体を整える。
よく眠る。
食事をする。
お通じを整える。
呼吸をする。
必要なら鍼やお灸を受ける。
主治医の先生と出産について相談する。
そして、
赤ちゃんと一緒に、出産の日を迎える準備をする。
その一つひとつに意味があります。
逆子が治れば、それはもちろん嬉しい。
治らなければ、帝王切開という出産方法を選ぶことになるかもしれない。
どちらになっても、
お母さんが「私はできることをやった」と思って出産の日を迎えられること。
私は、それも逆子治療の大切な役割だと思っています。
逆子が治らなくても、あなたが失敗したわけではありません
最後に、これだけは伝えておきたいと思います。
逆子が治らなかった。
だからといって、
あなたの身体が悪かったわけではありません。
あなたの生活が悪かったわけでもありません。
あなたの努力が足りなかったわけでもありません。
そして、
帝王切開になったからといって、出産に失敗したわけでもありません。
赤ちゃんと出会う方法が、一つ変わっただけです。
七施鍼灸院では、もちろん頭位になってほしいと思って治療します。
でも、最終的に大切なのは、
「赤ちゃんを予定通りの向きにすること」だけではありません。
不安でいっぱいだった妊婦さんが、
少し安心して、
赤ちゃんを少し愛おしく感じられて、
出産の日を迎えられる。
そのためにできることを、一緒に考える。
2026年の逆子治療の講義で私が改めて感じたのも、鍼灸院は身体を整える場所であると同時に、不安を少し下ろして帰れる場所でもあるということでした。
だから七施鍼灸院の逆子治療は、
「何としても戻す治療」ではありません。
「戻る可能性に向き合いながら、戻らなかったとしても、その時間を少しでも安心して過ごせるようにする治療」
です。
そして、もし最後まで逆子だったとしても、
それは失敗ではありません。
赤ちゃんとお母さんが、その子なりの出産の日を迎えた。
私は、そう考えています。
逆子には、鍼灸以外にも選択肢があります(骨盤位外回転術)
逆子になったとき、選択肢は鍼灸だけではありません。
妊娠週数や母体・赤ちゃんの状態によっては、医療機関で外回転術(骨盤位外回転術)が検討されることもあります。
外回転術は、医師がお腹の上から赤ちゃんを回して、頭位にする方法です。
ただし、実施する時期や方法、対応している医療機関などはさまざまです。また、外回転術を受けるかどうかについては、それぞれのメリットやリスクについて主治医から説明を受けたうえで判断することが大切です。
七施鍼灸院でも、逆子の相談を受けていると、
「外回転術を受けたほうがいいのか?」
「病院から勧められたけれど、どう考えればいいのか?」
と相談されることがありした。
私自身、これまで外回転術を受けた方のお話を聞いてきました。
外回転術について考えるときに、私が大切だと思っていることを、こちらの記事(2023年11がつ)にまとめています。
※ なお、外回転術については医療行為ですので、実施の可否や具体的な方法については、必ず主治医にご相談ください。
逆子についてよくある質問
逆子について相談される妊婦さんからは、よく似た質問をいただきます。
「何週から鍼灸を始めたらいいですか?」
「もう32週なんですが、遅いですか?」
「お灸って熱くないですか?」
「逆子体操もしたほうがいいですか?」
「一回の治療で治りますか?」
初めての妊娠なら、分からないことばかりで当然です。
ここでは、七施鍼灸院でよくいただく質問をまとめました。
逆子は何週から鍼灸を始めればいいですか?
七施鍼灸院では、28週頃から32週頃までを、逆子について積極的に考え始める一つの目安としています。
ただし、
「28週になったら必ず鍼灸を受けなければならない」
という意味ではありません。
妊娠週数によって、逆子であることの意味は変わります。
また、同じ週数でも、お母さんの身体の状態や赤ちゃんの位置は一人ひとり違います。
そのため、七施鍼灸院では週数だけで「治る・治らない」を判断しません。
実際には、34週以降や36週以降、さらに出産直前に相談に来られた方もいます。
「何週だからもう無理」と最初から決めつけないこと。
その時点でできることを考えることを大切にしています。
32週からでも遅くないですか?
32週だから遅い、とは考えていません。
もちろん、妊娠週数が進むにつれて赤ちゃんが大きくなり、子宮の中のスペースも変わっていきます。
ですから、「何週でも同じ」というわけではありません。
ただ、
「32週だから、もう何をしても無駄」
ということでもありません。
七施鍼灸院には、32週から相談に来られる方もいます。
その時点でのお腹の状態や睡眠、体調、生活などを確認しながら、今できることを一緒に考えます。
34週、36週でも診てもらえますか?
はい。
34週、36週以降でもご相談いただけます。
実際に、34週以降に初めて来院され、その後に頭位になったケースもあります。
一方で、治療をしても最後まで逆子のままだったケースもあります。
そのため、
「36週でも必ず治ります」
という約束はできません。
ただ、週数だけを理由に、
「もう何もできない」
と決めてしまう必要もありません。
まずは現在の状態を確認して、できることを考えます。
なお、帝王切開の予定など、出産についての医学的な判断は主治医の先生の指示を優先してください。
逆子のお灸は痛いですか?
お灸に対する感じ方には個人差があります。
ただ、「熱さを我慢するほど効果がある」というものではありません。
逆子と言われると、
「たくさんお灸をしたほうがいい」
「熱いほうが効く」
と考えてしまう方もいます。
でも、七施鍼灸院では、必要以上に刺激を強くすることは考えていません。
その方の身体の状態を見ながら、どこに、どの程度のお灸をするのかを考えます。
自宅でのお灸についても、必要であれば方法をお伝えします。
自宅でお灸をしたほうがいいですか?
必要に応じて、自宅でのお灸についてもお伝えします。
ただし、
「逆子なら毎日必ずお灸」
という考え方ではありません。
お灸をすること自体が負担になってしまうようなら、それも考え直す必要があります。
七施鍼灸院では、お灸だけでなく、体操や姿勢、睡眠、食事、運動、生活なども含めて、その方に必要なことを考えます。
「やることを増やす」よりも、
今の身体に必要なことを、必要な分だけ。
これを大切にしています。
逆子体操はしたほうがいいですか?
逆子体操についても、全員に同じ方法を勧めているわけではありません。
妊娠週数やお腹の張り、身体の状態などを確認しながら考えます。
逆子と言われると、
「頑張らなきゃ」
と思ってしまう方も多いのですが、頑張りすぎてお腹が張ったり、疲れてしまったりするなら、それは本末転倒です。
逆子体操をする場合も、
「どれだけ頑張るか」ではなく、「今の自分の身体に合っているか」
を大切にしてください。
また、体操については、妊娠経過や身体の状態によって適否がありますので、主治医から指示を受けている場合はそちらを優先してください。
鍼も使いますか?
はい。
七施鍼灸院では、お灸だけでなく鍼も使います。
ただし、
「逆子だから、このツボに鍼をすればいい」
という単純な治療ではありません。
妊娠週数、お腹の状態、睡眠、お通じ、冷え、疲れ、呼吸、生活など、その日の身体を確認したうえで必要な治療を考えます。
七施鍼灸院では、逆子の「向き」だけではなく、妊婦さんの身体全体を見ることを大切にしています。
一回で逆子は治りますか?
一回で頭位になる方もいますが、「一回で必ず治ります」とは言えません。
ここは、はっきりお伝えしておきたいところです。
逆子は、鍼やお灸をすればこちらの思い通りに赤ちゃんが動いてくれる、というものではありません。
2,200例以上の逆子に関わってきましたが、治療をしても最後まで逆子だったケースもあります。
ですから、
「一回で治します」
ということは言いません。
その代わり、
今のお身体に何が必要なのか。
そこを見ていきます。
帝王切開が決まっていても相談できますか?
はい。
帝王切開の予定が決まっている方からのご相談もお受けしています。
実際に、帝王切開の予定が近づいてから来院される方もいます。
ただし、ここで大切なのは、
帝王切開の予定がある=必ず逆子を治さなければならない
と考えなくてもいい、ということです。
もちろん、頭位になれば嬉しい。
でも、最後まで逆子だった場合も、それは治療の「失敗」ではありません。
出産についての医学的な判断は、主治医の先生と相談してください。
七施鍼灸院では、そのうえで、出産までの身体を整え、不安を少しでも減らして過ごせるようにサポートします。
病院の治療と併用できますか?
はい。
妊婦健診や主治医の診察を受けながら、鍼灸を利用していただけます。
七施鍼灸院の逆子治療は、病院での診断や治療に代わるものではありません。
逆子の状態や出産方法については、必ず主治医の先生の判断を優先してください。
そのうえで、
「鍼灸で身体を整えてみたい」
「お灸について相談したい」
「逆子と言われて不安なので、一度話を聞いてほしい」
という場合にご利用ください。
助産所での体のケアについて
逆子ではないのですが、くぬぎ助産所 (瀬戸ハイム https://kunugi-care.com/)で産前産後の鍼灸ケアをしております。
体調がすぐれない方、くぬぎ助産所でお気軽にご相談ください。

広島市からでも通えますか?
はい。
七施鍼灸院は広島県安芸郡府中町にあります。
広島市から来院される方にもご利用いただいています。
JRでは矢賀駅から徒歩約15分。
バスでは本町4丁目バス停から徒歩約3分です。
また、車で来院される方には駐車スペースもありますので、必要な場合は事前にお声がけください。
府中町以外からでも通えますか?
もちろんです。
七施鍼灸院は府中町にありますが、府中町にお住まいの方だけを対象にしているわけではありません。
広島市など、府中町以外からもご来院いただけます。
特に逆子の場合は、
「どこで治療を受けようか」
と探して、少し遠方から来られる方もいらっしゃいます。
妊娠後期は移動そのものが負担になることもありますので、通院について不安がある場合は、予約前にお気軽にご相談ください。
広島県安芸郡府中町の七施鍼灸院について
七施鍼灸院はこんな鍼灸院です
七施(しちせ)鍼灸院は、広島県安芸郡府中町にある予約制の鍼灸院です。
院長は鍼灸師・あん摩マッサージ指圧師のおおしたです。
東京・港区・外苑前で20年間鍼灸院を続けた後、2024年に地元・広島へ戻ってきました。
東京時代から、逆子の鍼灸治療には長く関わっており、これまでに2,200例以上の逆子治療を経験しています。
ただし、逆子だけを専門にした鍼灸院ではありません。
肩こりや腰痛などの一般的な症状から、自律神経の不調、不眠、妊娠中の身体のケア、小児の鍼灸まで、幅広く対応しています。
治療では、症状だけを見るのではなく、
「その人の身体全体を見る」
ことを大切にしています。
場所
七施鍼灸院は、広島県安芸郡府中町にあります。
JR芸備線の矢賀駅から徒歩約15分。
本町4丁目バス停から徒歩約3分です。
→ 七施鍼灸院の場所・アクセスはこちら
お車で来院される方には駐車スペースもあります。
駐車については、来院前にお問い合わせください。
逆子治療の料金
現在の逆子治療の料金は以下のとおりです。
- 逆子治療(初回) 9,000円
(内訳;初診料 2000円、指導料 3000円 治療費4000円) - 2回目以降 4,000円
初診では身体の状態を詳しく確認するため、時間をかけてお話を伺います。
また、逆子治療ではお灸だけでなく、逆子体操や姿勢、睡眠、食事、運動、気持ちの持ちようなどについても一緒に考えます。
※料金は変更になる場合があります。ご予約の際に最新の料金をご確認ください。
予約・お問い合わせ
「逆子と言われたけれど、何をしたらいいのか分からない」
「もう少し話を聞いてから、鍼灸を受けるか決めたい」
そんな場合も、まずはお問い合わせください。
電話やメールでのご相談・ご予約も受け付けています。
TEL:090-5402-9182
Mail:yochytake@gmail.com
施術中などで電話に出られない場合がありますので、その際はメッセージを残していただければ折り返しご連絡します。メールや問い合わせフォームからのご相談も可能です。
→ ご予約・お問い合わせはこちら
逆子について、もっと知りたい方へ
逆子については、このページだけでは書ききれないことがたくさんあります。
七施鍼灸院では、これまでの逆子治療の経験をもとに、妊娠週数や身体の状態、鍼灸治療、セルフケア、治療の考え方などについて記事を書いてきました。
「逆子と言われたけれど、もう少し詳しく知りたい」
という方は、こちらもご覧ください。
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2,200例以上の逆子治療を通して、治療する側が妊婦さんから何を教えてもらってきたのか。
七施鍼灸院の逆子治療に対する考え方が、より分かる記事です。
逆子で37週に来院された方がおられました
「37週だから、もう遅いですよね?」
そんな時期に来院された実際の症例です。
どんな話もね、本当に大切な話は、すぐに叩かれちゃうネットでは伝えにくいものなのです。
逆子の鍼灸治療について相談する
逆子と言われると、突然いろいろなことが不安になります。
「何をしたらいいの?」
「お灸をしたほうがいい?」
「逆子体操は?」
「もう32週だけど遅い?」
「帝王切開が決まっているけれど、それでも相談していい?」
そんなふうに迷っている方もいると思います。
一人で答えを出さなくても大丈夫です。
七施鍼灸院では、逆子を「必ず治す」と約束することはできません。
2,200例以上の経験があっても、最後まで逆子のままの赤ちゃんはいます。
だからこそ、
今のあなたの身体に何が必要なのか。
出産までに何ができるのか。
一緒に考えます。
逆子が治るかどうかだけでなく、少しでも安心して出産の日を迎えられるように。
それも、七施鍼灸院の逆子治療です。
「逆子と言われたけれど、何をしたらいいか分からない」
「もう少し詳しく相談してから決めたい」
そんな場合も、まずはお気軽にお問い合わせください。















