「疲れているのに眠れない。」
これほど理不尽なことはありません。
身体は「もう限界です」と訴えているのに、脳だけが深夜まで残業中。
- 羊を100匹数えても眠れない。
- スマホを閉じても眠れない。
- 「寝なきゃ」と思うほど眠れない。
……人間って、なかなかに面倒くさい(笑)。
七施鍼灸院にも、
- 寝つきが悪い。
- 夜中に何度も目が覚める。
- 朝起きても疲れが取れない。
そんな相談が本当にたくさんあります。
実は私も、若い頃は「疲れれば勝手に寝るだろう」と思っていました。
ところが50代になり、山登りをして、筋トレをして、瞑想までしている健康オタクになってみて分かったことがあります。
疲れているだけでは、人は眠れない。
身体が「休んでいい」と思える状態になって、初めて眠れるんです。
東洋医学では、不眠は「睡眠の問題」だけではなく、身体全体のバランスが崩れた結果として現れるサインだと考えます。
眠れない原因は「頭」だけではなく「身体」にある
「不眠だから睡眠薬。」
もちろん、薬が必要な方もいます。
でも、薬だけで終わらせてしまうのは、少しもったいない。
東洋医学では、陰陽、五行、気血水等、眠れない原因をもっと広く考えます。
・気を使いすぎて「気」が不足している人
・考えすぎて頭だけが24時間営業になっている人
・「血」が不足して、心身を十分に養えない人
・身体に熱がこもり、ずっと興奮状態が続いている人
同じ「眠れない」でも、原因は人それぞれです。
暑い部屋と寒い部屋で同じエアコン設定にしないように、不眠も原因が違えば治療も変わります。
「不眠」という一つの言葉だけで一括りにするのは、ちょっと乱暴だと思うんです。
休めない身体になっていませんか?
最近つくづく思います。
現代人は「休む」のが本当に下手。
- 仕事が終わってスマホ。
- 布団に入ってSNS。
- 夜中に目が覚めてもスマホ。
……そのスマホ、睡眠導入剤ではありませんから。
むしろ、目を覚ますための道具を、眠る直前まで握りしめているようなものです。
身体は布団に入っているのに、脳だけは昼間以上に働いている。
東洋医学では、この状態を「神(しん)が落ち着かない」と表現します。
つまり、身体より心のほうが起きっぱなし。
だから眠れないのです。
「休みなさい。」
そう言われても休めない。
これは気合いや根性の問題ではありません。
身体そのものが、休めなくなっているだけなのです。
眠れる身体を作るのが鍼灸の役目
七施鍼灸院で行っている経絡治療は、「眠らせる治療」ではありません。
眠れる身体に戻していく治療です。
経絡の状態を整え、自律神経の働きにも目を向けながら、興奮し続けている身体が本来の状態に戻っていくのを助けます。
患者さんから、
- 昨日は久しぶりに朝まで眠れました。
- 昨夜は夜泣きがありませんでした。
そんな言葉をいただくことがあります。
でも実は、私が眠らせたわけではありません。
身体が、
「もう安心して休んでいいよ。」
そう判断できる状態になっただけなのです。
眠りは、誰かに無理やり作ってもらうものではありません。
本来、人間の身体が持っている力です。
鍼灸は、その力が働きやすいように、少しだけお手伝いしているに過ぎません。
短時間(30分未満)の昼寝をする人の3分の2(約67%)は幸せであるのに対し、長時間(30分以上)の昼寝をする人と昼寝を一切しない人の幸福度は、それぞれ56%と60%に留まることが判明した。
眠れないのではなく、眠れる身体ではないだけ
眠れない夜が続くと、
「私は眠れない人間なんだ。」
そう思い込んでしまいます。
でも、本当は違うのかもしれません。
眠れないのではなく、
眠れる身体ではなくなっている。
東洋医学は、病名だけを診ません。
その人の身体全体を診ます。
だから不眠だけでなく、
- 肩こりが軽くなったり
- 胃腸の調子が整ったり
- 冷えが改善したり
- 疲れにくくなったり
することがあります。
身体は全部つながっています。
睡眠だけを切り離して考えるより、身体全体のバランスを整える。
それが東洋医学で考える不眠へのアプローチであり、七施鍼灸院が大切にしている考え方です。
ちなみに私は夜9時には寝ています。
まあ、単に歳をとっただけかもしれませんが(笑)。
眠れない夜が続いている方は、身体からの「少し休ませて」というサインに、耳を傾けてみてはいかがでしょうか。
どこの誰かもわからない人たちの“平均睡眠時間”を自分の基準にする気には、どうしてもなれません。





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