「ちゃんと寝たはずなのに、朝から疲れている。」
そんな日が続くと、
「もう歳かな。」
「体力が落ちたのかな。」
なんて思ってしまいます。
59歳になった私も、もちろん思います。
むしろ毎朝思っています。
- 山へ登れば翌日は階段を一歩一歩カニ歩き。
- 老眼は順調に進み、本を読むのも一苦労。
- 筋トレをすると筋肉痛は翌日……ではなく翌々日。
しかも、その筋肉痛が今回のトレーニングなのか、前回のトレーニングなのか、よく分からないほどです(笑)。
もはや筋肉痛のサブスクです。
患者さんからは、
「先生、健康にいいことをたくさんしていますよね。」
と言われます。
- 登山をして。
- 筋トレをして。
- たまに瞑想をして。
- 土鍋でご飯を炊き。
- お酒までやめました(ほぼ)。
ここまでやると、
「何を目指してはるんどす?」
と笑われます。
半分くらい当たっています。
ただ、目指しているのは霞を食べて生きることではありません。
ただ、「よく眠れて、よく回復する体」。
それだけなんです。
でも、それでも疲れる日はあります。
いや、疲れを感じない日のほうが少ないかもしれません。
健康オタクっぽく見えてるかもしれません。
……でも、その健康オタクが毎日疲れているんです(笑)。
だから思うんです。
問題は「疲れること」ではありません。
「回復できなくなっている人」のほうが、ずっと多いということです。
疲れることは、悪いことじゃない
私たちは生きている以上、必ず疲れます。
歩けば疲れる。
働けば疲れる。
子育てなんて、疲れないほうがおかしい。
山登りだってそうです。
私は登山が好きですが、山頂まで元気いっぱいで行ける人なんて、見たことがありません。
多分みんな疲れてる、はず。
だからこそ、山頂の景色がとっても嬉しい。
疲れることは、生きている証拠です。
問題なのは、その疲れが翌朝になっても、翌週になっても居座ってしまうことです。
まるで居心地の良さを見つけた居候のように。
本来、人の体には「回復する力」が備わっています。
眠れば体は修復され、
朝には、
「よし、今日も頑張るか。」
そんな状態に戻れるようにできています。
ところが、この回復システムがうまく働かなくなると、寝ても疲れが残ります。
よく「休めばいい」って言いますが、
正直、その一言がいちばん休まらなかったりします。
以前、「休めない体」について書きました。
これ、休める環境はあるのに、脳も体も休み方を忘れてしまっている状態のことです。
でも今回は、その続きの話。
休めるようになっても、回復できる体にならなければ、朝の疲れは残ります。
「休めないこと」と「回復できないこと」は、似ているようで少し違うのです。
でも、休める人は、とっくに休んでいます。
- 休める環境が整っていても。
- 休む時間を作ることができても。
休めないから困っているんです。
- 真面目で。
- 責任感が強くて。
- 家族のため。
- 職場のため。
- 誰かのため。
そうやって頑張り続けている人ほど、自分を後回しにします。
体は、
「もう勘弁してください。」
と言っているのに、
頭だけが、
「もう少し頑張れ。」
と命令を出し続ける。
普通こんな上司がいたら、辞表を書きますよね。
でも困ったことに、この上司が自分自身なんです。
この頭と体のケンカが始まると、朝になっても疲れは取れません。
〜〜その疲れをとるために〜〜
裸足で足元を見て
呼吸を感じて
体に意識を向ける
それだけで、
不安や依存から少し距離が取れると思います。
東洋医学が診るのは「疲れ」ではなく「回復力」
東洋医学では、「気・血・水」の巡りや五臓の働きを大切にします。
- 食べたものからエネルギーを作る「脾」。
- ストレスを受け止め、巡らせる「肝」。
- 生命力の土台となる「腎」。
これらが弱ってくると、睡眠時間だけでは回復できなくなります。
- 自然食を食べても。
- 青汁を飲んでも。
- サプリメントを増やしても。
- 昔流行った「ぶら下がり健康器」に毎日ぶら下がっても(笑)。
体そのものが回復する力を失ってしまえば、どんな健康法も十分には働きません。
だから、朝のだるさが残るんです。
睡眠アプリの点数は100点。
でも本人は朝からゾンビのようにフラフラ。
アプリは「よく眠れています」と褒めてくれる。
でも、体は「全然休めてません」と抗議しています。
体は、アプリより正直です。
病院で検査を受けても異常はない。
でも本人は、どうしようもなくしんどい。
こういう方が、鍼灸院には本当にたくさん来られます。
西洋医学が悪いわけではありません。
病気を見つけ、命を救うことでは、現代医学は本当に素晴らしい。
ただ、
- 病気ではない。
- 元気でもない。
このグレーゾーンこそ、東洋医学が何千年も向き合ってきた世界なのです。
「疲れない体」はありません
- 疲れを感じるたびに栄養ドリンク。
- 眠気にはカフェイン。
「今日はこれで乗り切ろう。」
もちろん、そんな日もあります。
私だって若い頃は、
「気合いがあれば何とかなる。」
と本気で思っていました。
実際、気合いだけで乗り切っていた時期もあります。
でも59歳になって分かったことがあります。
気合いには賞味期限があります。
しかも、思ったより短い(笑)。
延長交渉にも一切応じてくれません。
体は根性論では回復してくれません。
必要なのは、
- しっかり食べること。
- よく眠ること。
- 深く呼吸すること。
- 適度に体を動かすこと。
- 体質に合わせて体を整えること。
ちなみに、
「眠れないんです。」
と相談してくださる患者さんの手には、だいたいスマホがあります。
- 夜中まで動画。
- SNS。
- ネットニュース。
心の中では思います。
「その手に持っている小さな太陽、そろそろ沈めてみませんか。」
もちろん、最初は優しくお伝えします。
……でも、仲良くなると普通に言います(笑)。
「それ、明日の自分に借金してますよ。」
朝の目覚めは、昨日の通知表
私は毎朝、起きた瞬間に自分の体へ聞きます。
- 今日はどう?
- 昨日はいい一日だったな。
- 昨日は少し無理をしたな。
そうやって体と相談します。
朝は、自分を責める時間ではありません。
昨日までの自分から届く通知表を見る時間です。
疲れている日は、
体が
「もっと頑張れ。」
と言っているのではありません。
「少し休み方を変えてみませんか。」
そんな優しいサインなのだと思います。
東洋医学は、症状だけを見る医学ではありません。
その人が本来持っている「回復する力」を引き出す医学です。
もし、「寝ても疲れが取れない」が続いているなら、年齢や気合いのせいにする前に、一度、自分の体の声を聞いてみてください。
この混沌とした時代を生き抜くために必要なのは、疲れない体ではありません。
疲れても、ちゃんと回復できる体です。
以前の「休めない体」の記事とあわせて読んでいただくと、「休めないこと」と「回復できないこと」の違いが、より分かりやすくなると思います。
七施鍼灸院は、その人が本来持っている回復力を引き出し、
「明日の朝、目が覚めるのが少し楽しみになる。」
そんな体づくりを、お手伝いしたいと思っています。





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