勉強のできる子は遺伝?それとも育て方?

子育てについて

勉強の能力は果たして遺伝か育て方か、、
この問いは昔から繰り返されてきましたし、きっとこれからも語られていくのでしょう

私自身「遺伝がすべて」だとは思いたくありません

でも、両親ともに高学歴のご家庭から高学歴の子が育つというのを目の当たりにすると、「やっぱり遺伝もあるのかな」と感じてしまうこともあったりします

そんな中、私が出会う子どもたちやそのご家族を見て思うのは、「よく話をしている親子」には、学ぶ力が自然と育つんじゃないかということ、、

小児はりをずっとしていたある患者さん親子はご家庭で、本当に小さい頃から、日々の出来事や本や音楽等、いろんなことをよく語り合っていました

小学校に上がる頃には、「なぜそんな行動をしたのか」といったことも、子どもなりに言葉でしっかり説明できるように、、、

そして6年生にもなると、お母さんが「最近は言いくるめられることも増えてきて…」と、どこか誇らしげに話してくれたのを思い出します

このお母さんは短大出身と聞いていますが、そのお子さんは誰もが知っている難関中学に見事合格しました

高偏差値の学校に進学した子どもたちを何人も見てきましたが、共通して印象に残るのは、親御さんの「話す力」と「聞く力」です

子どもを年齢で区切らず、ひとりの人間として丁寧に接し、本を読んだあとには感想を言い合い、会話を通して思考を深めていく、、、

そんなやりとりを、日常の中で自然に行っている家庭がほとんどなのです

さらに、そうしたご家庭の親御さん自身、何かを学んでいる方が多い印象があります

「最近は資格の勉強をしていて、子どもと一緒に机を並べて勉強しているんです」そんなふうに話すお父さんもいました

とはいえ、親が勉強好きだからといって、必ずしも子どももそうなるわけではありません

親はからっきし運動できないけど、子どもは勉強より体を動かすのが得意だったりする場合もありますから、、

そんな中、生まれながらにある分野に強い好奇心を持ちすぎる子もいたりします

そういう子が近くにいると、自分の子と比べることもあったりして、、

前にNHKの「スイッチインタビュー」で、北野武さんと物理学者の村山斉さんが対談を見ました

村山さんは、「小学2〜3年の頃に、微分積分を始めた」と話していました

実際知人の子どもで、2歳で足し算をしていた子もいますし、海外旅行の経験すらないのに、高校生でドイツ語の原書を読んでいた、という話も聞いたことがあります

そういう子たちは、まさに“才能”の人たち、、
どの世界にも、大谷翔平選手のように常人には届かない高みに行く人がいます
でも、だからといって、そんな人たちと自分を比べても意味はありません。

比べていいのは、少し前の自分と今の自分とだけ

他人の子どもと比べてばかりいると、子育てもうまくいきません
子どもも親とは違う“他者”です
比べる対象にするほど、育児は苦しくなります

それよりも、
「今のままであなたは最高だよ」
というメッセージを、日々の何気ない会話の中で伝えていくほうが絶対のびます

たとえば──
「今日の空、すっごく青くない?なんだか絶対いいことありそうだよね」
「あの言葉、すごく心に残ったよね」

そんな、たわいもないやりとりができる親子関係
お互いの気持ちを軽やかにやり取りできる関係
とっても素敵だと思います

仕事のこと、学校で感じたこと、ちょっとした失敗も喜びも、なんでも話し合える時間を共有する家族がいる

そんな日々の積み重ねが、子どもの「好き」を引き出し、「学びたい」を育ててくれるように思います

そしてそれが、やがてその子自身の「生きやすさ」につながっていくのではないでしょうか?

私はそう信じています

スイッチインタビュー
「北野武×村山斉」EP1


【過去に書いたブログより】

東京・港区で長く暮らし、高学歴の家庭と接する中で、遺伝や記憶力の影響は確かにあると感じています。でも私は、「人としてどう育つか」を大切にして子育てをしてきたつもりです。

勉強よりも、相手に合わせて関係を築く力や、その子の興味に寄り添い、比べずに見守ること、そして何もしなくても安心できる居場所を用意すること。それが、子どもが自分の力で生きやすさを見つけるために必要なことだと思っています。

そして結果的に、子どもが見つけた新しい世界が、私自身の視野を広げてくれたし、親子としてちょうどよい距離感も育ててくれました。

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