逆子治療は“不安を減らすこと”でもある|東京・杉山神社で講義をします

東京・江島杉山神社で開催する逆子治療講義|妊婦さんの不安と鍼灸師の関わり方について 逆子、安産について

2026年6月7日(日)に東京・両国の 江島杉山神社 にて、鍼灸師向けの逆子治療勉強会で講師を務めさせていただくことになりました。

広島の七施鍼灸院から東京へ。

こちらに来てからは、以前ほど「鍼灸どっぷり」の生活ではなくなっていたこともあり、まさかまた東京で、しかも逆子治療について話をする機会をいただくとは思っていませんでした。

こうして覚えていてくださる方がいるというのは、本当にありがたいことです。

……まあ同時に、
「ほんとに私でいいのか?」

という気持ちも、かなりあります(笑)


江島杉山神社という特別な場所

江島杉山神社は、管鍼法の創始者として知られる杉山和一とゆかりの深い神社です。

杉山和一は、江戸幕府五代将軍・ 徳川綱吉の病を治した功績によってこの地を与えられ、「杉山流鍼治導引稽古所」という、世界初の視覚障害者教育施設とも言われる場を開設した人物でもあります。

鍼灸に関わる人間として、そんな歴史と深く結びついた場所で、逆子と鍼灸についてお話しできることを、とてもありがたく感じています。


募集開始直後に満席。現在はキャンセル待ちとのこと

今回の勉強会ですが、募集開始直後に多くの鍼灸師の先生方から申し込みがあり、すでに20名超とのこと。現在はキャンセル待ちだそうです。

ありがたい反面、

「みんな本当に大丈夫か」

という気持ちも、正直ちょっとあります。

広島に来てからは、以前ほど逆子症例を診ているわけではありませんし。

ただ、助産師さんや産科の先生方、そして妊婦さんたちと関わる中で、学ばせてもらったことは、本当にたくさんありました。

そして何より、このテーマには、

  • 妊婦さんへの関わり方
  • 安全性への不安
  • どこまで介入していいのか
  • 言葉がけや説明の難しさ

など、「技術だけでは済まない悩み」がかなり詰まっているかなって、勝手に思っています。

勉強会開催の経緯についてはこちらの記事にも少し書いています。


逆子勉強会を東京で開催します|七施鍼灸院ブログ

東京・杉山神社で逆子勉強会を開催することになった経緯や、「なぜ逆子治療を学び続けているのか」について、2月のこちらの記事にも少し書いています。
広島に移住した鍼灸師が、なぜ再び東京で逆子の話をすることになったのか。その流れも含めて読んでいただけると嬉しいです。


今回の講義テーマ

「逆子を治す」
「不安を減らす」

今回の講義は、単なる「逆子を回す技術講習」にはしたくないと思っています。

もちろん、

  • 三陰交
  • 至陰
  • 全体調整
  • 刺さない鍼(テイ鍼)
  • 実技

など、技術的な内容もちゃんとやる予定です。

せっかく広島から行くので、
「最近の弥山登山と弁当の話だけ聞いて終わったな」では終われませんし(笑)

逆子の治療成績を少しでも上げられるような学びにはしたいと思っています。

ただ、それ以上に大切にしたいのが、「妊婦さんの不安に、鍼灸師としてどう関わるか」という視点です。


逆子治療は、“回らなかった時”とも向き合うこと

長く逆子治療をしていると、

  • 36週以降で来院される方
  • 若い週数でもなかなか戻らない方
  • 胎動は良くなったけど回転までは至らない方

そういったケースにも多く出会います。

せっかく来院していただいたのに、回らない。

そういう時に、どう言葉をかけるのか。

どう不安を和らげるのか。

どう「次」を一緒に考えるのか。

これは技術だけではなく、“関わり方”の問題でもあるように思っています。

そして私は、
「逆子が治った。はい、おしまい」

では、少しもったいないとも感じています。

逆子という出来事を通して、

  • 待つこと
  • 思い通りにならないこと
  • “その子の今”を見ること

そんな感覚に触れることが、その後の子育てにもつながっていくことがあるように思うのです。


妊婦さんは、想像以上に不安を抱えている

今は、妊娠・出産・子育てについて、気軽に相談できる場所が本当に少なくなっていると感じます。

SNSを開けば情報は山ほど出てきます。

「こうすれば正解」
「これが理想」
「こう育てるべき」

そんな情報もたくさん流れてきます。

でも実際は、情報が増えるほど、不安も増えるんですよね。

そこに「逆子です」と言われる。

そりゃあ不安が倍増するというもの。

逆子で来院される妊婦さんからは、

  • 帝王切開が怖い
  • 赤ちゃんは大丈夫なのか
  • 何を信じていいかわからない
  • 情報が多すぎて混乱する
  • 何が正解なのかわからない

そんな声を本当によく聞きます。

でも、子育てって、そもそも「完全な正解」があるものでもないと思うんです。

完璧にやろうとすると、親の方が先にしんどくなる。

だからこそ、鍼灸師に求められているのは、「逆子を治すこと」だけではなく、「安心を作ること」も大切なのではないかと思っています。


「何をするか」より「どう向き合うか」

逆子治療は、特別な魔法の技術ではありません。

もちろん知識も経験も必要です。

ただ、今でも普通に悩みます。

「これでよかったのかな」と思うことも多いです。

むしろ、この分野、“完全に自信満々”になったら少し危ないのかもしれません。

……と、自分に言い聞かせながらやっています(笑)

だから最終的には、

「何をするか」

より

「どう向き合うか」

ここがとても大きいのではないかと思っています。


今回の勉強会でお話しすること

今回の勉強会では、

  • 妊婦さんとの距離感
  • 不安との向き合い方
  • 言葉の使い方
  • 東洋医学的な見立て
  • “やりすぎない”という感覚
  • 安全性への考え方

なども含めて、参加される先生方と一緒に考えていく予定です。


最後に

鍼灸とは、「安心を作る医療」でもある。

そんなことを、東京・杉山神社という鍼と関わりの深い場所で、皆さんと一緒に考えられる時間になれば嬉しいです。

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