遺言はシンプルがいい|祖父が遺した「たったひとつの願い」

祖父の遺言「子供達みんな仲良く」が刻まれた墓石と家族の絆を考えるブログ記事 考えていることについて

お墓に刻んである言葉があります。

子供達みんな仲良く
良い子になってください
父のことを思い出せば
母を大切にしてください
長い間母に世話になりました

これ、若くして亡くなった祖父の遺言です。

私は会ったことはないのですが、叔父や叔母たちの話を聞くと、空襲警報が鳴っているのに畑仕事をしていたり、屋根の上でのんびり日向ぼっこしていたりする、まあまあマイペースな人だったそうです。

呉の対岸の島とはいえ、当時を思えばだいぶマイペースです(笑)

でも不思議なことに、人望があり、商売は上手で、しかも気前がいい。

「なんでその性格でうまくいくの?」
っていうタイプ。

どうも周りからも慕われていたみたいです。
世の中、理屈じゃないですね。

で、最期は大腸がん。
まだ痛み止めも十分でない時代。

その痛みを
「ヘビと蜂とムカデにいっぺんに刺されたような痛みだ」
と表現していた、と伯母から聞きました。

語彙が強い。
というか、全部イヤです。

一匹でも十分イヤなのに、それを同時にって、もう拷問です。

想像するだけで、なかなかです。

そんな強烈な痛みの中で書いた遺言が、これなんです。

びっくりするくらいシンプルですよね。

でも、だからこそ、
子供達みんな仲良く」という言葉が、ずっと自分の中に残っています。

私は祖父に会ったことはありません。

生まれる前に亡くなっているので、全部聞いた話です。

それでもこの言葉は、なぜか自分の中にしっかり根を張っていて、

子どもに何を願うか
と考えたとき、出てくる答えの一つになっています。

そう、
兄弟仲だけは良くあってほしい。

ただ、それだけです。

欲張らない。
テストの点とか、将来とか、いろいろあるけど、そこじゃない。

まずは、ここ。

そしてこれは持論ですが、
兄弟仲って、ほぼ「親の責任」です。

わりと容赦なく言いますが、かなりの割合でそうだと思っています。

特に影響が大きいのが、親のえこひいき。

子どもはびっくりするくらい敏感なので、
親が思っている10倍くらいは見抜いています。

「平等にしてるつもりなんですけど」は、だいたいバレてます。

子を見れば親がわかるし、
親を見れば子がわかる。

ここ、逃げ場なしです。

子どもにどんな教育をしたか、とか
どこの学校に入れたか、とか
運動能力をどう伸ばしたか、とか

正直、そこじゃない。

兄弟仲。

私はここを見て、その親を見てしまいます。

…と、ここまで偉そうに書いていますが、
書いている本人はわりとポンコツです。

七施鍼灸院の院長とか言ってますが、
気とか経絡とか、いまだによくわかっていません(たぶん)。

わかっている“ふり”をしながら、なんとかやっています。

それでも続いているのは、
他にできることがなかったからです。

(これ、わりと本気です)

話は逸れましたが、、

そんな自分なので、せめてここだけは、と思って、、

えこひいきにならないように、
一人ずつが「自分は大切にされている」と感じられるように、親子二人きりの時間を、できるだけ均等に作るよう心がけてきました。

とはいえ、こちらの意図と、子どもの感じ方は別です。

お兄ちゃんお姉ちゃんばっかり
弟ばっかり

そう思われていたかもしれません。

ここ、親の言い訳は一切通用しませんから(笑)

だからこそ、

これはちょっとしんどい関係だなあ…
と感じる親子に出会うと、いろいろ考えてしまいます。

せっかく家族になったのに、
バランスが崩れているのを見ると、「もったいないなあ」って。

ありがたいことに、
今の我が家は、姉も、甥っ子も姪っ子も、そしてお嫁ちゃんお婿ちゃんも含めて、みんなそれなりに仲良くやっています。

(もちろん“それなりに”です。ここ重要です笑)

この関係がこれからも続くように、
自分にできることはちゃんとやっていきたいな、と。

お墓参りをするたびに、そんなことを考えてしまいます。

心理学者のアルフレッド・アドラーは、
人の悩みは、すべて対人関係である」と、かなりバッサリ言っています。

極端に聞こえますが、
鍼灸の現場にいると、あながち間違いでもないと感じます。

体の不調で来られた方でも、話を聞いていくと、だいたいどこかに「人との関係」が絡んでいる。

家族、職場、パートナー。

そして東洋医学では、心と体は別々ではなく、ひとつの流れとして捉えます。

つまり、

人間関係がこじれる
 ↓
気が滞る
 ↓
体に出る

シンプルに言うと、
こういうことが普通に起きます。

逆もまた然りで、
安心できる関係の中にいると、それだけで体がゆるみ、回復力が上がる。

いわゆるポリヴェーガル理論的に言っても、納得できる話です。


ポリヴェーガル理論を一言で言うと


薬でもツボでもなく、
「関係性」が治療になることも、実際にあります。

だから施術中に、考え方や物の見方の話をすることもあります。

鍼だけ打って終わり、ではないんです。

むしろ、そっちの方が効く人もいます。

(というか、治療が下手な私は、自分はそっち頼みなところもあったりします(笑))

祖父の遺言は、たぶん一番大事なことを言っているんだと思います。

難しいことはいらない。

兄弟姉妹親戚だけでなく、所属するコミュニティーでも、

仲良くすること。
大切にすること。

それだけ。

でも、
きっと一番むずかしい。

だからこそ、考え続ける価値があるんだと思います。

ということで先祖の皆さま、
引き続きどうぞよろしくお願いします。

こちらも、できることはちゃんとやりますので。

(できれば、見守り少し多めでお願いします笑)


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