広島の閉塞感と、子育ての孤立のあいだで

子育てについて

広島という街で、子育てを“まるっと”支えるということ

広島は、山も海も近く、川が流れ、街並みも整っていて、一見すると「とても住みやすい街」に見えます。

実際、暮らしてみて「ここは悪くないな」と感じる瞬間もたくさんあります。

それでも一方で、若い世代が進学や就職をきっかけに街を離れ、子育て世代が戻ってこない、という現実があります。

制度や支援は、決して悪くはありません。

それなのに、なぜか「届いていない」「つながっていない」。

そんな違和感を感じることがこちらに来て多々ありました。


子育てが“個人戦”になってしまった時代

本来、子育ては親戚や近所の大人、年上の子どもたちに囲まれて、自然と「見て」「まねて」「助けられて」身についていくものだったはずです。

けれど現代では、妊娠・出産・子育てをほとんど“予習なし”で迎え、わからないまま、正解を探し続ける。

「これで合っているんだろうか」
「怒りすぎていないだろうか」
「周りはうまくやっているのに…」

そんな不安を、誰にも言えずに抱えているお父さん・お母さんが、実はとても多い。

これは、親の努力不足ではありません。学ぶ場と、つながる場が、圧倒的に足りていないだけだと思っています。


「家族まるっと応援会」を始めた理由

昨年府中町で開催した「家族まるっと応援会」は、助産師さん、子育て支援の達人、そして私(鍼灸師)で立ち上げた、とても小さく、ゆるやかな集まりでした。

内容は、
・子ども服のお譲り会
・子育て相談
・お灸の体験
・子どもツボ健康法(今回は次回へ)

特別なことは何もしていません。でも、そこに流れていた空気は、とても優しいものだったように思います。

助産師さんの話に笑い、「そんな考え方があったんだ」と肩の力が抜け、気づけば、参加された方の表情がゆるんでいく。

その姿を見て、「ああ、これでいいんだな」と感じました。


治す前に、整える。頑張る前に、安心する。

七施鍼灸院で大切にしているのは、症状をなんとかする前に、まず「安心できる状態」に戻ることです。

体も、心も、子育ても、緊張したままでは、うまく巡りません。

「家族まるっと応援会」も同じです。

正解を教える場でも、指導する場でもなく、専門家が“隣にいる”場所

それだけで、人はずいぶんラクになります。


広島の未来は、こうした場所の積み重ねでできていく

人口流出や少子化を、大きな政策だけで止めることは難しいかもしれません。

でも、
「ここで子育てしても、ひとりじゃない」

そう思える体験が一つでもあれば、街への見え方は、少し変わります。

広島は、現状維持を好む人が多い街かもしれません。

でも同時に、静かに、誠実に、暮らしを大切にする人も多い。

だからこそ、声高に叫ぶ支援ではなく、そっと手を差し出す支援が合っているのではないかと思っています。


これからも、ゆるっと、まるっと

「家族まるっと応援会」は、まだ始まったばかりの、小さな活動です。

でも、
助産師さん、鍼灸師、子育て支援者、そして子育て真っ最中の親御さんたちが、自然に混ざり合う場所を、少しずつ育てていきたい。

広島で、妊娠期から子育て期まで、「大丈夫だよ」と言い合える関係が増えていくこと。

それが、この街の未来を支える、いちばん確かな土台だと信じています。

七施鍼灸院は、これからも地域に根ざし、家族を“まるっと”応援する場をつくり続けたいと思っています。

おおしたさん
yochy_take
この記事を書いた人

鍼灸師,あん摩マッサージ指圧師 /東京では小児はりや妊婦さんを多く手がけていました /特に逆子は2200人以上を経験 /広島県安芸郡府中町出身 /青年海外協力隊にてパナマ派遣 /2024年6月まで外苑前で鍼灸院を20年経営 /子ども4人はすでに成人

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