子育てが楽しくなった頃には、もう遅い

子育てについて

子育てって、楽しくなった頃にはもう遅いんですよね。
気づいたときには、子どもはもう大きい。

これ、子育てを経験した人なら「わかる」ってうなずく人、多いんじゃないだろうか。

そしてなぜだか、
あれほど忙しくて子育てにタッチしてくれなかった旦那さんが、ある日こう言い出す。

「もう一回やり直してみたいなぁ」

……いやいやいや。

今さらである。

人生というのは、
だいたい気づくのが遅いようにできている。

なかなか意地の悪いシステムだ。


そのご主人は某会社の社長。

平日は仕事。
休日は趣味。

つまり、
子どもと関わる余白がほとんどなかったタイプの父親である。

奥さまはずっと、

「子どもを構ってくれない」

と嘆いていた。

ところがコロナ禍で、
子どもと過ごす時間が増えた途端に覚醒したらしい。

「子どもって、こんなに楽しかったのか」

そして例のひと言。

「もう一度やり直せたらなぁ」

しかし、時すでに遅し。

子どもは待ってくれないし、
人生もだいたい待ってくれない。


私も最初から子煩悩ではない

子煩悩だったと思われていた節のある私だが、
もちろん最初からそうだったわけではない。

いやむしろ、最近改めて知ったのだが、
どうやら私は

他人にあまり興味のない人間だったらしい。

人を観察するのは好き。
でも、ずっと一緒にいたいわけではない。

心理学の本を読んでいて、ふと気づいた。

「あぁ自分、結構いびつだったんだな」

妙に腑に落ちた。

診断名がついたような、
少しスッキリしたような、そんな気分。

まあ、「いびつ」は一旦横に置いておこう。


そんな私だったが、
子どもの交通事故をきっかけに、子どもへの関わり方がガラッと変わった。

そういえば以前、こんなことを書いていた。

辛い体験があったから、子育てを真剣に考えるようになったのかもしれない。

辛い体験があったから、子育てを真剣に考えるようになったのかも


子どもが行きたいと言えば、できるだけ行く。

好きと言えば、一緒にやる。

私は何かに深くのめり込むタイプではない。
ハマっても、わりとすぐ冷める。

でもこれ、
子育てには都合がよかったみたいだ。

自分の世界に没頭しないぶん、子どもの世界に乗っかれる


図書館と児童館と、未知との遭遇

子どもが好きそうな場所を探して、図書館にもずいぶん通った。

そして知った。

絵本って、めちゃくちゃ面白い。

絵本にまったく興味のなかった私が、今では図書館でコソコソとページをめくっているのだから、人生はわからない。

そして児童館。

親にならなければ、
まず入らない場所ランキング上位である。

そこには、
目を輝かせて遊ぶ子どもたちがいる。

そして私は思う。

「なぜこのおもちゃに、この絵本に、そこまで食いつく?」

観察していると、
だんだん研究者気分になってくる。

私のような人間が、
「どうすればこの子はもっと楽しめるか?」などと真剣に考えるようになったのだから。

人生は本当にわからない。

子どもって、すごい。

そんな日々の積み重ねで、
いびつだった私の角が、少し丸くなったように思う。

子どもに育てられる。

これ、わりと本当の話だ。


子育ての主役は誰か

子育ての主役は誰か。

言うまでもなく、子どもである。

……のはずなのに。

いつの間にか、親が主役になっている子育てを、しばしば見かける。

子どもの人生なのか、
親の人生なのか、
たまにわからなくなる。


私にそんなことを教えてくれたのは、

・アルフレッド・アドラー
・ヴィクトール・フランクル
・吉本隆明
・森田正馬
・加藤諦三
・五木寛之
・佐々木正美
・網谷由香利

このあたりの人たちの本だ。

今読み返してみても、
ずいぶん影響を受けているのがよくわかる。

とはいえ、正直に言おう。

これらの本は、時に厳しい。

「そこまで子ども本位でやれと?」

「こっちはもう十分やっている。これ以上まだやれと?」

そう思ってしまう親も多いはずだ。

私も思った。

「わかっているけど、それは無理」

でも。

子どもが本当にしてほしいことは、
だいたいここに書いてある。

少しだけ心に余白ができたとき、
ここに書かれていることを思い出せたら——

反抗期は案外やり過ごせるし、
ティーンになっても話してくれる。

「休みぐらい欲しい」

これはこれで大正解。

ヒントは、
このあたりにごっそり落ちている。


鍼灸と子育ては、ちょっと似ている

東洋医学では、
「関わり」はとても大事な概念だ。

体も同じ。

使えば巡り、
放っておけば滞る。衰える。

これはもう、例外なくそうなる。

子育ても同じ。

関わるほど、巡りは良くなる。
関わらなければ、そのまま滞る。

そして滞ったものは、
あとから整えるのが少し大変になる。

教育はいつでもやり直せるが、情緒の修復は地獄」とはこれ如何に。

——マジで、体とまったく同じである。


関わると、楽しくなる

とにかく。

子どもの「好き」に乗っかってみる。

自分の趣味に引き込むのではなく、子どもの世界に入れてもらう。

これが、
こんなに嬉しいとは思わなかった。

子育ては、
関われば関わるほど楽しくなる。

でも。

関わるのが遅くなると——

子どもの成長は、
驚くほど容赦がない。

気づいたときには、
もう大きくなっている。

やり直しはできない。

ただ、
今からなら、まだ間に合う。

今日も少しだけ、
子どもの世界に乗っかってみる。

それだけで、
案外、人生は豊かになる。


七施鍼灸院と子育て

七施鍼灸院では、
小児鍼や子どもの体調相談を受けることも多く、自然と子育ての話になることがよくあります。

私自身、四人の子どもを育てました。

子どもたちは今、

自衛隊員になっていたり、
看護師になっていたり、
医学部に通っていたり。

ありがたいことに、
それぞれの道を歩いています。

鍼灸の相談に来たはずなのに、
いつの間にか子育て相談になっていることもあったり。

まあ、それも悪くないですね。

体の話をしていると、
自然と人生の話に発展することもあります。

鍼灸院というのは、
そういう場所であってもいいのだと、つくづく思う今日この頃です。


過去はやり直せない。

でも——
過去は変えられないが、過去への見方は変えられる

これからどう生きるかで、
これまでの人生の意味は変わる。

そう思えば、
人生はまだまだ面白い。

そして子育ても、
きっとまだ間に合う。

今日も少しだけ、
子どもの世界に乗っかってみるのはいかがだろう。

それだけで、
案外、人生は豊かになる。


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おおしたさん
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この記事を書いた人

鍼灸師,あん摩マッサージ指圧師 /東京では小児はりや妊婦さんを多く手がけていました /特に逆子は2200人以上を経験 /広島県安芸郡府中町出身 /青年海外協力隊にてパナマ派遣 /2024年6月まで外苑前で鍼灸院を20年経営 /子ども4人はすでに成人

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