「膝が痛いんです」と病院へ行ってみる。
すると、だいたいこの三点セット。
・水を抜く
・痛み止めを打つ
・湿布を貼る
効く。
たしかに効く。
でもここで、少しだけ嫌味を言いたくなる。
「それで本当に“治る”と思ってる?」
「病院に通ってる人ばかりなのに、膝が前より悪くなってる人多すぎない?」
痛みが消えた=問題が解決した。
……なら話は早い。
でも膝くんは、そんな空気をまったく読まんでくれない。
O脚の方に多いのが、
膝の内側の骨どうしがガチガチにぶつかっている状態。
当たっている。
だから痛い。
この「痛い」は、
サボりでも悲鳴でもない。
ちゃんと働いている証拠。
「当たってるんだから痛いに決まっている」。
ここを飛ばして
痛みだけを消してしまうと、体はこう学習する。
「お、当たってても問題なし、と。」
それは――
火災報知器がうるさいからって、電池を抜いて眠るのと同じ。
音は消える。
でも火は消せない。
痛みが抑えられている間、
人は普通に歩き、普通に動く。
でも骨どうしは、
相変わらずコツコツ当たり続けている。
薬が切れたころ、こう言う。
「前より痛い気がするんです」
この言葉、何百回聞いただろう。
そして静かに始まる、
人工関節へのカウントダウン。
これは誰かを責める話じゃない。
その年齢まで
「任せる」
「従う」
「考えない」
でやってきた結果が、たまたま膝に出ただけ。
生き方は、ちゃんと関節に出る。
膝くんは、
あなたの生き方をかなり正直に代弁する。
じゃあ、どうする。
答えは地味。
⇨病院任せにしない。
⇨自分で考える。
まずは歩き方。
- 足底のどこに体重を乗せるか
- 膝まわりの筋肉をきちんと使っているか
「それだけ?」って思うかもしれない。
でも体は、生活のクセの集合体。
病気治しは、クセ直し。
ソファから立つとき、
膝を内側(外側)に入れ過ぎてドスンと立っていないか。
階段を、太ももではなく
膝で受け止めていないか。
こうした動作が
何千回、何万回と積み重なって、今の膝。
だから逆も本当。
正しく使えば、必ず変わる。
人口関節でも劇的に良くなった実際の話。
「最近、膝どう?」
⇨「そういえば…痛くないわね」
「ソレイユまで歩いたって?」
⇨「手押し車なしで行けたのよ。」
――週3回治療中
――両膝人工関節置換済
――85歳女性
鍼灸で関節の柔軟性が戻り、
関節液が巡り、
⇨姿勢が変わる。
姿勢が変わると、
⇨顔つきが変わる。
顔が変わると、
⇨考え方が変わる。
「できない前提」だった人が
⭐️ 「まだいける」に変わる。
⇨「矢野駅の31段の階段を前向きで1人で降りることができたのよ。」
膝、恐るべし。
水抜きも注射も湿布も、
痛みを止めるだけなら魔法級。
否定はしない。
でも変形が改善していないのに
それだけを繰り返せば、
あとでツケが回ることもある。
ここは冷静に。
お医者さんが知らないわけがない。
私より、ずっと分かっている。
でも、
- リハビリは時間がかかる。
- 人手がいる。
- 正直、儲からない。
筋肉はAmazonじゃない。
翌日配送はできない。
病院にも経営がある。
整形外科は増えているように見えて、
実は減っている地域も多い。
「どう通ってもらうか」を考えるのも仕事のひとつ。
仕方ない。
だからこそ、考えてほしい。
治す順番。
歩き方と筋肉の使い方が
“日常”になってから、
水抜きや注射の出番。
この順番。
もういい大人なんだから。
- 病院通い自慢
- サプリコレクション自慢
- 健康器具フル装備大会
そろそろ卒業しよう。
その代わり、
膝くんとちゃんと話す。
「今日どこがつらい?」
「その歩き方、好き?」
「まだ働ける?」
ちゃんと聞いて、
ちゃんと尊重する。
『100年ひざ』で巽一郎先生が言うように、膝は消耗品じゃない。
使い方しだいで、一生使える。
膝にも、
人生にも、
まだまだ歩いてもらわなくちゃね。
そのお手伝い、いつでもします。

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