「七施鍼灸院の逆子治療は、どんなことをしているのですか?」
最近、お電話でこのような質問を続けていただきました。
そこで今日は、逆子治療、そして安産にも共通する“空間づくり”という視点について、簡単に書いてみたいと思います。
助産師さんに聞くと、「お腹が柔らかく、丸い方が安産になりやすい」と言われることが多いです。
私自身、臨床を通しても、そう感じる場面は少なくありません。
一方で、逆子の方のお腹を診ていると、赤ちゃんの位置が骨盤寄りで、お腹が横に広がっていたり、縦に張っていたりするケースが多いように思います。
逆子直しの体操としてよく知られている胸膝位やブリッジ法は、骨盤寄りにいる赤ちゃんを、胸の方へ持ち上げることを目的としています。
また、横に広がったお腹の場合には、脇腹を伸ばすストレッチを取り入れることで、赤ちゃんが動きやすくなることも多いように感じています。
東洋医学からみた「お腹の空間」
東洋医学的に、逆子や安産を「空間」という観点で整理すると、おおよそ次のように考えることができるかと思います。
【縦】
骨盤寄りで縦に張りのあるお腹
→ 腎水経・膀胱経の変動
【横】
横に広がったお腹
→ 肝木経・胆経の変動
【深さ】
消化器系が固く、奥行きのないお腹
→ 脾土経・胃経の変動
逆子や安産の治療を、「赤ちゃんが動ける空間をどう整えるか」という視点で見ると、このような整理がしっくりくるように感じています。
もちろん、これだけではありません。
呼吸が浅い(肺金経)
動悸がある(心火経)
冷えや疲れやすさ、睡眠の質等々
こうした問診事項も含めて、全体をみていきます。
古典からみた妊娠期の変化
日本に現存する最古の医学書
『医心方』(丹波康頼 著)には、
- 妊娠7〜8か月は 手の太陰肺経 が旺気する
- 妊娠9〜10か月は 足の少陰腎経 が旺気する
と記されています。
これらも、日々の治療の中で意識している点のひとつです。
脈や経絡の反応を確認し、その方、その時の「証」を立てて治療に入る。
方法はさまざまですが、私が一貫して大切にしているのは、
「赤ちゃんが動けるスペースをつくること」
そのための身体づくり、環境づくりだと考えています。
逆子も、安産も、赤ちゃんとお母さん、両方にとって無理のない形をこれからも丁寧に探っていきたいと思っています。


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