東京・港区青山という、いわゆる“成功した人”が多く集まる街で、私は20年ほど鍼灸院を営んでいました。
さまざまなバックグラウンドを持つ方々と関わる中で、「この人はこれからも成長していくだろうな」と感じる人には、いくつかの共通点があるように思ったものです。
■ 学んだことを“分かち合える人”
成長していく人は、学びを自分だけのものにしません。
資格でも趣味でも、得た知識や気づきを自然と周囲に還元しているように思います。
学びによって培われる「考える力」や「整理する力」は、どこかで必ず役に立ちますし、シェアする姿勢は信頼につながり、また新しい成長の機会を呼び込んでいるような感じがします。
■ 人の話を“感動しながら”聞ける人
ただ聞くのではなく、心から人の話が聞ける人。
そんな人の前で話せば、話し手も自然と熱がこもり、話の深みが増していくというものです。
授業でも、相槌を上手に打ちながら話を聞く学生がいると、先生の話がぐっと良くなることがありますよね。
「相手が気持ちよく話せる空間をつくる」ことは、巡り巡って自分の成長を押し上げる力になるように思います。
■ 好きになれる力、信頼できる力
何かや誰かを素直に「好き」と思える人は、根っこに“信頼する力”がありますよね。
臨床でも、信頼関係を築ける人ほど、治療成績のスピードが大きく跳ね上がることをなども感じてきました。
■ 言葉の選び方が、人生の方向を決める
否定的な言葉を多く使うと、否定的な人や出来事が集まり、環境もだんだんとそちらに傾いていきます。
反対に、前向きな言葉を選ぶ人の周りには、前向きな空気が自然と広がります。
結局は、“どんな言葉を選ぶか”が、その人の未来の形をつくっていくのだと思います。
■ 素直であることは、大きな財産
最後に、成長していく人には総じて“素直さ”があります。
加藤諦三先生は「素直さは、この世の中で生きていく上で最も大きな財産です」と語っていますが、年々その意味を深く実感しています。
ネットで愚痴や否定を並べると、巡り巡って自分を否定されたような気持ちになる——
そんな経験をした人も少なくないはずです。
そうなると、心に成長の余白がなくなってしまいます。
素直でいることは、未来の可能性をひらく“大切な宝物”のようなものだと思うに至っています。


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