カイロで三陰交を温めるという方に出くわすことが多々あります。
お灸はいいのですが、カイロによる「持続的な熱刺激」は、少し注意が必要ではないかと思っています。
特に三陰交をはじめとする下腿(あるいは前腕)の“陰経”への長時間の熱刺激は、場合によっては体のバランスを崩し、早産などのリスクを高める可能性が指摘されています(しっかりしたエビデンスは多くありませんが、臨床的に“温めすぎ”による違和感を感じることは少なくありません。)。
そのため私は、内くるぶし周囲にカイロを貼ることは推奨していません。
■ パワーの強いツボを“持続的に刺激し続ける”こと
この行為そのものが、私は少し怖いと感じています。
「温めれば何でも良くなる」という考え方は、少し安易なのではないかと思うのです。
本来、身体はもっと繊細で、皮膚の状態や体調に合わせて温めたり、ときには冷やしたりする必要があります。
- 「熱いのを我慢すれば効く」
- 「痛みに耐えるほど効果がある」
こういった考えは、私の経験上ほとんど“ウソ”だと思っています。
■ 特に逆子のお灸について
逆子のお灸ですが、熱さを我慢するほど効果が上がるわけではありません。
むしろ身体が緊張してしまい、逆効果になることも多々あります。
お灸は「熱さの刺激」ではなく、心地よい温かさが、余韻となって身体をゆるめていく——
そのプロセスが大切だと考えています。
だからこそ、気持ちよく受けられる程度の温度のお灸が、身体全体の巡りを整えてくれるのです。
■ “温め信仰”から少し距離を置いてみる
「温めたら何でも解決する」という“温め信仰”のような考え方。
これには私は少し違和感があります。
お灸は、
強い刺激ではなく、ほどよい温かさの余韻で身体が少しずつゆるむこと。
これがいちばん自然で、良い方向へ導いてくれるように感じています。


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