妊娠2ヶ月 胎児は人間になります
妊娠2ヶ月(4週〜7週)の胎児の顔は、魚のようにエラや尻尾がある「胎芽」の状態から、徐々に目・耳・あごなどの顔のパーツがはっきりしてきて、人間らしい姿へと変化するとのこと
早期流産を生き延びた子どもたち
そして、妊娠から4ヶ月までは自然流産しやすい時期、、
流産(22週未満)の確率は、全妊婦の15%です。妊娠した女性の7人に1人は流産してしまう計算です。このうちの大部分が、妊娠12週未満で流産する“早期流産”です。早期流産は、残念ながら、どんな治療をもってしても食い止めることはできないのです
胎児がたどる、上陸のドラマ
この時期、胎児はおなかの中で壮大な経験をしていると三木成夫先生は著書「胎児の世界」のなかで言っています
ニワトリの卵殻内の小さな空間には、脊椎動物の悠久のときが閉じ込められていた。特にその四日目から五日目にかけての二十四時間には、古生代の終わりの一億年を費やした上陸のドラマが見事に凝縮されていた。それは一つの象徴劇とよばれるにふさわしいものであった。
養鶏業者にとっては常識だと言われる、卵が4日目から5日目にかけて迎える非常に不安定な時期
三木成夫先生は、これを「胎児が上陸のドラマを再現している」と表現しました
うまく“上陸”できたものだけが生き延びるという、生命の厳しい選択
その過酷なドラマを、赤ちゃんは生まれる前からすでに体験しているのです
そう、私も、あなたも、誰もがお腹の中でその道を通ってきたのです
祖先がたどった胎児の記憶
そんなことをぼんやり考えていたとき、ふと思い出したのがこの言葉、、
胎児よ
胎児よ
なぜ躍る
母親の心がわかって
おそろしいのか
夢野久作の『ドグラマグラ』に出てくる、なんとも印象的な言葉です
実は最後まで読みきれなかったのですが…(読んだ人が精神錯乱するとも言われてますよね)
『ドグラマグラ』の中では、胎児は母の胎内で、祖先たちがたどってきた記憶を夢のように見ていると語られています
「胎児の世界」を読んでいると、なぜかこの作品のことが思い出されてなりません
映画版『ドグラマグラ』で博士役を演じた桂枝雀さんの演技も、印象に残っています
彼自身、この作品に深く入り込みすぎたからあのような、、と想像してしまいました
あらためて、今度こそ最後まで読んでみようかな
ちょっと怖いけれど、やっぱり気になる一冊です
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