膝を治すための一工夫

knee_model 健康について

ご年配の方の治療が多いので、必然的に膝を扱うことが増えています。人工関節にされている方もおられますし、シルバーカー(ご高齢の方の手押し車)がないと外出できない方もおられます。そして何年も病院に通われ、痛み止めのお薬に湿布や関節内注射、電気をかけても痛みがコントロールできないところまで来ている方も少なくありません

これだけ病院に通っても、改善するどころか悪くなってしまえば、諦めムードになってしまうのもよくわかります。

実際、膝の捻れが元に戻り、膝周りの筋肉がしっかりしなければ、注射に湿布、はりやお灸にマッサージをどれだけやろうとも、シルバーカーを使わなくてもスーパーに行けるようになるとか、手すりを使わず階段を上り下りすることはできません。

でも私は何がなんでも杖を使わず歩けるようになってもらいたい

そのためには、先ずどこの筋肉をつけるべきか、どういう動きをする必要があるのか、膝の動きの点検が必要になります。その点検で、例えば踵立ちができないことがわかれば、足趾のトレーニングから始めなければいけません。そのトレーニングをやってもらいつつ、足首周りや膝周り、そして股関節の動きが改善されるよう治療をします。やっていれば必ず変化が生まれます。ちょっとした変化でも、その変化に気がつき、それに注目してもらうと、ご自身のやる気にも変化が生まれます。その変化をご自身のものにしてもらいつつ、できることを少しずつ増やしながら地道に改善していく。それが一番の近道のように思うのです。

あと、ご本人のやる気なくして膝が治ることはありません。そのためには気持ちの持ちようが大切です。痛い辛いと言い続けていたら、体はネガティブな反応を起こしてしまいます。そして自らの力で治そうという欲求を失ってしまい、ますます悪くなるばかりです。もちろん痛いとか辛いとか、そのような言葉を言わなければそれはそれでストレスになってしまいます。だから「本当に痛いし辛い。でもこの痛みという試練をどう乗り越えてやろう、楽しみすぎる」といった言葉にしたり、違う言葉を用意してみたり。とにかく痛いとか辛いといった言葉に引っ張られないようにするために、いろんな言葉を駆使しつつ、一緒に戦うようにしています。

治すのはあくまで自分自身です。例えはちょっと違うかもしれませんが「歯磨きはできないけど虫歯にはなりたくない。先生なんとかして」と言われても、、、といった感じです。

私は本人のやる気を引き出すことを一番の目的に治療をしています。はりやお灸は内臓や気持ちにも働きかけることができるので、ご自身のやる気や治すスピードを早めるために使っています。やはり本人のやる気や日々の生活から変えていかなければ、スタスタと歩けるようにはなりません。もともと歩き方や膝の使い方が悪かったために生じた膝の痛みです、膝の捻れを戻し、筋肉をつけるだけでなく、歩き方や日々の生活の改善も大切になってきます。

最後に治療している90歳近くの方を紹介します。膝を人工関節にしておられ外出もままなりません。立っていただき足趾を見ると、指先は少し浮いており、地面に触れるのさえままならない感じです。足趾に全く力が入らないので少し前のめりになるだけで転倒してしまいます。もちろん爪先立ちだなんてもってのほか。足の甲を軽く押しただけでも痛がりますし、先ずは膝よりも転倒しないための足底作りから始めました。それから2週間、ご自身の努力の甲斐もあり、爪先立ちができるようになりました。本人の努力に私もびっくりです。それとともにあれだけ冷たかった足がポカポカするようになり、足の甲を触れても痛いと言いません。そして浮腫んでいた足の甲に血管が見えるようにもなっていました。本人もこの改善をとても喜ばれ、第2章である膝の捻れ改善体操と筋力トレーニングも積極的に行ってもらえています。

私は治らないと思っているご自身の日常にくさびを打ち、やる気を引き起こすための伴走者でありたいと思っています。

ということで、できることをできるところから、焦らず一つずつできることを増やしていきましょう。

私の喜びは外出できなかった人ができるようになるのを垣間見ることなのですから。

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自己紹介 安芸郡府中町在住/青年海外協力隊にてパナマ派遣/外苑前で治療院を20年経営/脈診や経絡治療/逆子治療は2,200人以上を経験/趣味は英会話と登山、筋トレ/エニタイムフィットネスを月30日以上使うヘビーユーザー/四人の子育てが終わり帰郷/単焦点レンズはペンタのk-01から引き継いだパンケーキ40mmレンズをこよなく愛す

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