横向きで寝ることは逆子ちゃんに必要?


帝王切開の話にショックを受けた妊婦さんへ

逆子ちゃん
30週の健診で
「羊水も十分あるし、まだ直る可能性がありますよ」
と言われて安心していたのに、

32週の健診で
「次回、帝王切開の話をさせてもらいますね」
と言われ、ショックを受ける妊婦さんが今も少なからずおられます。

ネットに色々尋ねることで不安を煽られることもしばしばあります。
逆子についても帝王切開についても、まずは医師・助産師にその不安をちゃんと伝えることが大事です。


病院での逆子体操の指導は減ってきています

以前は多くの産院で「胸膝位法」や「ブリッジ法(骨盤高位法)」を指導していました。
胸膝位は「アラーの神にお祈りするような姿勢」とも言われる、けっこう有名な体操です。

でも最近は、「エビデンス(科学的根拠)がない」「切迫早産を引き起こす可能性がある」として、指導しない医師・病院が増えました。

でも
「横向きで寝るようにしてください」
とだけ言われた方が意外と多いです。


本来の逆子体操は「体操+側臥位」でワンセット

20年、私が助産師さんに教えてもらった逆子体操は、

  • 胸膝位や骨盤高位などの体操を10〜15分
  • その後、赤ちゃんの背中が上にくるように横向き(側臥位)で30分

この計45分がワンセットでした。

ところが最近は、

  • 横向きで寝るだけ
  • ブリッジ法だけ

と、別々に指導されることが多いように思います。


横向きだけは本末転倒になることも

逆子ちゃんに下を向いてもらうために横向きで寝るように言われ、頑張りすぎて

  • 腰や肩を痛める
  • 睡眠の質が下がる

という方は本当に多いです。

体操や横向き寝よりもはるかに睡眠の方がとても大切です。
眠れない → 自律神経のバランスが乱れる → 赤ちゃんも寝にくくなり夜泣きする子になる
という悪循環にもつながりかねません。

そもそも36週を過ぎてもお腹の中で寝返りをしている胎児はたくさんいます。
なので本来ならば赤ちゃんの背中の位置を確認してから横になる必要があるんです。
でも自分で赤ちゃんの背中がどっちにあるのか確認するのはとっても難しい、、、

助産によっては背中の位置を確認する方法として、胎動の大きい方(だいたいにおいてそこに足がある)を下にして寝るようにするという指導がなされる場合もありますが、今はそこまで教えてくれるところは少ないみたいです。


胸膝位・ブリッジ法について

胸膝位は骨盤に赤ちゃんが深く入り込んでいるようなときに効果的なことがありますが、

  • 苦しくて続かない
  • 緊張してお腹が硬くなる
    という方も多いです。

ブリッジ法(骨盤高位)は、仰向けでお尻の下にクッションを5〜10cmほど入れるだけ。
胃腸をゆったりさせ、骨盤に寄りがちな赤ちゃんを上に上げる効果があります。

「30cm上げましょう!」などの極端なやり方は逆効果。
腰を痛めたり、かえってお腹が硬くなって赤ちゃんが動きにくくなります。

呼吸を深くゆったりすることも大切です。


外回転術という方法も

病院で逆子を物理的に回す「骨盤位外回転術」という方法もあります。
ただし、

  • 実施している病院が少なくなった
  • お腹が硬いと成功しにくい

といった感じでしょうか


お灸はとても有効です

私が治療院で一番お伝えしたいのは お灸の力

お灸はお腹の深いところ、特に胃腸をしっかり温めてくれるので、赤ちゃんの動けるスペースを作りやすいです。

たとえば…
かなり前、中野で外回転術を外来でやってたおじいちゃん先生がいて、、
その病院に紹介した際、あまりに緊張してたので、施術前に病院内でお灸をした方がおられました・
満員電車で移動して緊張しきった妊婦さん

外回転術の前にお灸をしたら、お腹がふわっと柔らかくなり、赤ちゃんがスルッと回った

という例もあります。

安産にもとてもおすすめです。
逆子でなくても、お腹を柔らかくなり赤ちゃん自身とっても気持ちよいのではないかと思います。


頑張りすぎないで

ネットの情報や病院の言葉に振り回されて、

「こうしなきゃ」
「ちゃんとやらなきゃ」

と力が入りすぎると、お腹も硬くなり、赤ちゃんも動きにくくなります。

他の人にとって正しい方法でも、あなたに合っているとは限りません。

  • 無理のない範囲で
  • 赤ちゃんと対話するように
  • 自分の体と相談しながら

それが一番大切です。


最後に

私自身も、家族の出産や病気、事故など色々な経験をしました。
だからこそ思うのは、

「ここまで大きくなってくれてありがとう」
「ただ生まれてきてくれるだけでいい」

という気持ちを忘れないでほしい、ということ。

妊娠・出産に絶対はありません。
でも、

  • 赤ちゃんが動きやすい空間をつくる
  • 気持ちをゆったりさせる
  • 睡眠の質を大切にする

こうしたことは必ずプラスになります。

お灸も体操も、「やるべき」ではなく「やってみようかな?」で大丈夫です。

マタニティライフをぜひ楽しんでくださいね!


広島県安芸郡府中町 七施鍼灸院 大下義武

おおしたさん
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この記事を書いた人

鍼灸師,あん摩マッサージ指圧師 /東京では小児はりや妊婦さんを多く手がけていました /特に逆子は2200人以上を経験 /広島県安芸郡府中町出身 /青年海外協力隊にてパナマ派遣 /2024年6月まで外苑前で鍼灸院を20年経営 /子ども4人はすでに成人

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