うちは子どもが4人います。
その影響があるのかどうかはわかりませんが、東京で来院されていた方は、3人以上お子さんをお持ちの方がとても多かったんです。
だいぶ前の話で恐縮なのですが、3人目を希望されている方が来院されました。
この方は逆子治療をきっかけに通ってくださっているのですが、「周りは一人っ子が多くて、3人目が欲しいってなかなか言いづらいんです」と話されていました。
でも先日、大学時代の同級生と会ったところ、3人以上の子どもを持つ友人が意外に多かったそうで、「あ、私も3人目が欲しいって言っていいんだ」と思えたそうです。
私自身の話になりますが、最初から4人も子どもを育てるつもりはなかったと思います。
でも子どもが通った区立の幼稚園が、思い返せる範囲でも4人兄弟のご家庭が5、6家族、5人兄弟が2家族。
地元で祖父母と同居している方も多く、経済的にもゆとりのあるご家庭が多かったこともあり、そんな環境にすっかり影響されてしまったところは否めません。
今思うと、どこかで“勘違い”していたのかもしれませんね（良い意味での勘違いです）。
そもそも、生き物の生きる目的は大きく分けて「個体維持」と「種族保存」。
子どもが可愛いから、一緒にいて楽しいから──そんなふんわりした理由で子育てが始まるというよりも、空腹になれば食べたくなるように、死のうと思っても本能が踏みとどまらせるように、子どもを育てるという行為は、本来とても本能的なもののように思います。
とはいえ、実際の子育ては想像以上に大変です。
子どもは自由でわがままで、そしてとても弱くて、いつ何があるかわからない。
毎日がハラハラするものだから、子どものいる暮らしは“当たり前だけど、当たり前じゃない”ことの連続です。
そういえば、前の朝ドラ「らんまん」のモデルになった植物学者・牧野富太郎博士ですが、13人の子どもを授かったものの、大人まで成長したのは7人だったそうです。
少し前の日本では、子どもが亡くなることは珍しいことではありませんでした。
本来人間はあまりにも未熟で生まれてくるため、たくさん子を産み育てるのが自然な姿なんだと思います。
今は一人っ子が当たり前になりつつあり、兄弟が多いとそれだけで気を遣う場面も増えています。
でも実際のところ、人はみんな自分のことで精一杯で、他人の家庭にそこまで強い関心があるわけではありません。
そして子育ては、始めてしまえば案外なんとかなるもの。なんとかせざるを得ない場面の連続です。
だからこそ、周りの声に惑わされずに、しっかり自分の道を突き抜けてほしい。
そうすれば、外の余計な声は自然と聞こえなくなっていきます。
応援しています。
あなたの選んだ道が、どうか温かいものでありますように。
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