東洋医学で見えてくる「からだの声」

治療や健康について

東洋医学的な説明をしても、患者さんには伝わらないかもしれない
そんな思いが、ずっと心のどこかにありました。

というのも以前、医師である患者さんから
東洋医学を全面に出すと、少しスピリチュアルに聞こえるかもしれませんね
と指摘されたことがあり、「そんなものかなぁ…」と思ってしまったからです。
それ以来、自然と東洋医学の話を控えるようになっていました。

でもこちらで鍼灸院を再開して、東洋医学の視点からの説明が欠かせないと感じています。

なぜなら、冷え・むくみ・胃腸の不調・頭痛・めまい・腰痛など、
一見バラバラに見える症状が、東洋医学の目で見ると一本の線でつながって見えてくることがあるからです。

そうしたつながりを患者さんと共有すると、
「なるほど!」と深く納得してくださったり、
日常生活の中での意識や行動にも変化が生まれることがあります。

たとえば「足の冷え」。
足首が冷えるのか、足先が冷えるのかで、対処法はまったく違います。

特に妊婦さんの中には「足がほてるタイプ」の方も多く、
その場合は靴下を履かずに足首ウォーマーだけで過ごす方が良いこともあります。
むやみに温めすぎると、かえって不調を招くこともあるんです。

「冷やさないこと」よりも、「巡りを良くすること」を意識したほうが、ぐんと体が楽になります。

また、「冷え」は東洋医学でいう「腎」と深く関係しています。
内臓の疲れからくる冷えやだるさを整えるには、食事も大切な要素です。

黒い食材をとる、よく噛んで食べる、、、
そんな小さな工夫の積み重ねが、体をじっくり整えてくれます。

体はいつも“バランス”で成り立っています。

たとえば、長時間の座り姿勢は「脾胃(ひい)」を弱らせ、
内臓の下垂を通じて猫背や肩こりを引き起こすこともあります。

そんな時、マッサージやストレッチだけでは一時的な変化しか得られません。

そうではなくて「脾胃」を元気にしながら整えることで、
肩こりや腰痛の改善がぐっと早く、そして深く感じられるようになります。

最近では、そうした東洋医学の考えを
自分の言葉で伝えられるようになり、
患者さんの「納得」や「笑顔」が増えてきたように感じます。

技術も言葉も、どちらも人を癒やす力になる。
そんな当たり前のことを、改めて実感しています。

これからも、“口八丁・手八丁”の鍼灸師として、
からだとこころの声を丁寧に聴きながら、
一人ひとりに寄り添った施術を届けていきたいと思っています。

おおしたさん
yochy_take
この記事を書いた人

鍼灸師,あん摩マッサージ指圧師 /東京では小児はりや妊婦さんを多く手がけていました /特に逆子は2200人以上を経験 /広島県安芸郡府中町出身 /青年海外協力隊にてパナマ派遣 /2024年6月まで外苑前で鍼灸院を20年経営 /子ども4人はすでに成人

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