逆子治療がうまくいっているかどうか、どこで評価するのでしょうか?
以前テレビで「お灸をしたら胎動が大きくなった」と紹介されたことがあります。
もちろんその場で胎動が増えることはありますが、私はそれを治療評価のポイントにはしていません。
なぜなら、胎動にとらわれることで妊婦さんが自己嫌悪に陥ったり、不安を強めてしまうことがあるからです。
逆子の赤ちゃんは多くの場合、夜寝ている間などに自然に回ります。
実際、「いつ頭を下にしたのか分からない」という方がほとんど。
ですから、お灸の直後の胎動に一喜一憂する必要はありません。
本当に大切な評価ポイントは?
私が逆子治療で大切にしているのは、次のような日常生活での体調の変化です。
- 睡眠の質:お灸をして眠りが深くなったか
- お通じの改善:毎日、または2日に1回は自然に出るようになったか
- 食欲や気分:食欲が出てきたり、気持ちが安定してきたか
- お腹の形:治療後しばらくして、お腹の張りや形が柔らかく整ってきたか
例えば、ある妊婦さんは初診時(30週1日)には「お通じが3日に1回」でした。
しかし6日後には、薬を使わなくても毎日または2日に1回は自然に出るように。
この変化は、逆子改善だけでなく安産にもつながる大切なサインです。
胎動よりも「生活リズムの改善」を
胎動を強く意識すると不安が増し、それが逆に赤ちゃんの動きに影響することもあります。
それよりも、「よく眠れた」「便通がよくなった」などの変化を大切にしてください。
鍼灸治療では脈や皮膚の艶、気持ちの変化なども参考にしながら、次の施術につなげていきます。
妊婦さんが少しずつ心地よく過ごせるようになることが、逆子改善の一番の近道です。
まとめ
- 胎動そのものは評価基準にしない
- 睡眠・お通じ・食欲・気持ちの変化が大切
- お腹の形や全身の状態を見て治療を進めていく
「逆子がいつ直るのか」は誰にも断言できません。
ですが、体調が整えば自然と赤ちゃんは回りやすくなります。
焦らず、安心して取り組んでいきましょう。
広島県安芸郡府中町
七施鍼灸院


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